2008年9月27日土曜日

http://blog.canpan.info/fukiura/daily/200809/24より

原子力空母、横須賀に就航 [2008年09月24日(水)]







 米原子力空母ジョージ・ワシントン



 以下は、2日前のものに一部加筆したものです。



 GWの話である。といっても5月の連休の話ではない。

米原子力空母「ジョージ・ワシントン」(GW)が
明日9月24日、横須賀に配備される。

この空母、1992年7月2日に就役した、世界に雄飛する米国軍事戦略のかなめは空母である。

なかでも原子力空母は燃料補給が18年間不要という利便さがある。これまで、原子力の関係箇所で事故はない。

全長333mは東京タワーの高さと同じ。

総排水量は104,200t(満載排水量は97.000t)、時速50km、第5空母航空団(約70機で編成)をはじめ約5千6百人が乗り組んでいる。

1973年以来、横須賀は、米海軍が空母を配備している唯一の海外基地として、日本と世界の安全保障に大きく貢献してきた。日本周辺がいかに不安定で危険な要素を持っているかを示すようなものだ。

しかし、原子力空母が配備されるのはこれが初めてである。私もまた、この現実を深く考えてみなくてはならないと思う。

GWの横須賀配備には激しく反対する人たちもいる。

安全とはいえ、タバコの火の不始末で、横須賀への就航が1ヶ月遅れたことを、
米側は深く肝に銘じるべきだ。

しかし、反対派の言い分は、
米国と連携することに反対、横須賀に配備されることに反対、
空母の配備に反対、
まして原子力空母だから反対・・・といったことが主なもののようだ。

その人たちに申し上げたいのは、とりあえず、次の5点だ。

① 米海軍が世界にバランスよく配備されていなければ、
おそらく他の覇権国家が同様のことをするであろう。
想定されるそれらの国に比べれば、
米国がヘゲモニーを取っていることが、
まだましではないのか。

② わが国の周辺国家の軍事や政治の現況から言えば、
自衛隊を大幅に増強しない限り、
日本の安全は確保し得ないのではないか。
米海軍には申し分けないが、
日本自身の非力な防衛力からして、
米海軍の助力を得ない限り、
周辺国の暴走に対する抑止力にもならず、
わが国の安全が保障し得ない。

③ 日常的に米海軍が日本に配備されていなくては、
混乱に即応できない。
その場合には、横須賀は最適の条件を具備している。

④ 原子力空母の効率性、戦闘継続能力などを考えると、
わが国の安全保障にとって
この原子力空母の配備はまことに有効である。

⑤ 乗組員の費用を含め、空母配備の経済効果は非常に大きい。

まだまだ理由を挙げることができるが、これ5つで十分であろう。

米軍側にも注文がある。

日本に核アレルギーがあるのは、
米国が広島、長崎で「殺人実験」を行なったことに由来する。
この厳然たる事実を、謙虚に想起すべきである。

あの原爆投下はまさに、不要不急のものであった。

人種差別に依拠するとさえ思われる。

つまり、ミュンヘンやフライブルクといったドイツの都市に、
米国は核攻撃ができたかと詰め寄りたい。

原爆は100%の無差別攻撃。
そのことはいくら終戦を早めたと言い張っても、
法的、道義的に許されることではない。

しかし、記述したように、今回の横須賀へのGW配備は、
私は当然の帰結であると考える。それだけに、
米軍関係者には、安全と環境への最大の配慮とともに、
広報・啓発、情報公開、友好・親善に尽力してもらいたい。

そこから生まれる日米の信頼が
世界の安全保障と発展に大きく貢献すると確信するからである。

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