2008年10月30日木曜日

「老コンサルの残日録」http://ameblo.jp/tkjsk0231hzannitiroku/より


人間万事塞翁が馬と日本の公教育


ホントにイヤな事件です。宝籤で2億円当てた女性が、交際中の男に殺害され、彼女のおカネを奪った男は、自分の借金を返し、交際していた別の女性に貢いでいた、という事件が報じられました。


≪人間万事塞翁が馬≫(ジンカンバンジサイオウガウマ=説明は長くなるので省きます、NET検索して下さい)という言葉を思い浮かべます。宝籤で2億円の賞金が当たる人、砂場の中でたった1つの当り砂を見付けた人みたいなもので、超ラッキー人です。


彼女の超ラッキー・超ハッピーが暗転しました。たぶん、超高額の宝籤に当たっていなければ、こういう事にはならな かったんじゃあ、と思うのです。それに、彼女には<人を見る目>が無かったのかも。、仮にソウであっても、超高額のおカネを手にしなければこういう事件は 起きなかった、と思うのです。


それにしてもこの犯人、確か61歳位でしたか、どういう言い方をしたらいいのか解りません、<悪逆非道>そのもので す。ところで、この犯人、どういう家庭のどういう親に、どういう育てられ方をしたんでしょう、どういう学校でどういう先生方の教育を受けたんでしょう、関 心があります。犯罪心理学者はどういう判断をするんでしょうか。


昨日でしたか、橋下大阪府知事が<教育について市民討論会>を開きました。会場には、たぶん筋金入り、自ら日教組の 組合員です、と名乗る参加者(女性)もいました。彼女、知事の発言に気に入らないと盛んに野次を飛ばします。知事『黙んなさい!貴女のような教師がいるか ら大阪府の子供の成績が悪いんだ…』、会場は拍手。


『(退任した)中山大臣の日教組に対する発言は正しい…。会社なら、社長の命令を聞かない社員はいない、仮にいたと したらそういう社員はどういう事になるんだ…。日本の教育界は…』…本音を熱く叫んでいました。チャンとした会社なら、社員の採用時には身元保証人を要求 し、<会社の規則を守ります、守らない時は…>という誓約書を出させますよね。


教員として採用する時に、こういう事は行われているんでしょうか。国の宝、大事な子供を預ける教員の採用時に、ドウ なんでしょうね。文科省・都道府県市町村教育委員会が要求しても日教組がウンと言わないのかな?ここにも日教組OBがいるのかも。日教組の組織率(参加 率)は相当下がっている、ようです、役所が頑張れば何とかなるかも、ですよね。


=445=振り子の理論


毎日、世界的な金融不安・株価の急落・急速な円高…のニュースで持ちきりです。アイスランドは、国民1人当たりの GDPが世界で第4位(日本は22位)なのに、今回の金融恐慌で国家が破綻しそうで、緊急金融支援を要請している、とのことです。中身は濃いんですが経済 の規模が小さいんですね。他にもこのような国が出てくるかも知れません。


今日の日経平均株価は、一時的に7,000円を割りましたが、16時現在のそれは7,621円と戻しています。ま た、円の諸外貨に対する値上がりも、夕方頃にはターニングポイントを迎えたのか気持ち戻しているようです。これから先、ドンドン戻っていくとは思えません が、世の中の大原則≪振り子の理論≫が働くのでは、と思います。


止まない雨はない:どんな雨でも何時かはあがる、明けない夜は無い:夜の後には必ず朝が来る、暑い季節は何時までも 続かない:その後には必ず秋冷がくる…これは謂わば≪円の法則≫でしょうか。上り続ける円はないし、下がり続ける円もありません。上り続ける株価も無けれ ば下がり続ける株価もありません、ドッチにせよ反転します、≪振り子の理論≫と言うそうです。


平成2年に建設業界向けの本を出しました。書頭に書いた事は『バブルは終わった…宴(ウタゲ)の後は…』でした。当 時はバブルの最盛期で、その時は誰も信じなかったかも知れません、が私自身<ターニングポイント>(振り子がピークに差し掛かり反転するポジション)を感 じていました、やがてバブルが弾けました。


金融機関や事業会社には金融不安・円高・株安…の影響がありますが、個人レベルで考えると、ファンドのことは分かり ませんけれども、外貨預金や間違い無さそうな会社の株式へ投資している向きには≪振り子の理論≫を話します。いま手放せば赤字になるかも知れませんが、手 放さずに持っている限りは赤字は確定しませんし、キャッシュフローで考えれば利益も損も出ていないでしょう、と。ホントは今が仕込み時期なんですよね。


問題はこれからです。今回のことから来る国の財政・実体経済活動(景気・企業業績)・金融機関の出方…の影響が悪い 方向へ向かうだろう、ということです。それにしても、金融機関の無責任には憤りを覚えます。食品など、商品に問題があれば、それを売った会社の販売責任が 問われます。が、不良ファンドを売った金融機関は完全にホッカブリ、ゴーマンそのものじゃあないですか。

=444=素人なので解りませんが


24日のニューヨーク商業取引所の原油市場では、国際指標となる米国産WTI原油の先物価格が一時、前日終値より5 ドル以上安い1バレル=62.65ドルまで急落した、との報道がありました。最近のガソリンスタンド、ツイこの間は200円近かったガソリンが150円台 なんですね。


1バレル=140ドルに~、日々架け替えるガソリンスタンドの値上げ値段表、車の使用は控ええて自転車通勤に…クルマユーザーの姿、事業上アブラを多用する業界の悲鳴、政府の緊急対策…のニュース、ついこの間の事です。経済状況が超高速で激変します、ゾッとします。


世界中が金融不安と株価の急落で悲鳴を上げています。昨日の日経平均株価は7,649円、バブル後の最低株価レベ ル、4.5ヶ月前のそれは14,000円前後でした。今朝の5時半時点で1米ドル=94円42銭、2年半前のそれは120円前後、日本円は米ドル初めホト ンドの通貨に対して急騰しています。


バブルの頃、1米ドル=80円位の時に米国へ出かけました。<円 高>って良いもんだ、実感しました。その頃の日本経済は≪バブル(泡)ではあるけれども≫表向き国力は充実、経済は活発でした。現在の日本の状況は、その 頃と正反対、財政危機・金融危機・長期不況・家計負担増、ましてこれからは…どうして?やはり≪円≫が狙われて?


米国の平均的な家庭、収入の中でのやり繰り感覚はゼロ、買物は総てカード、リボ払いが主体なのでローン残高の10% だけ決済されればカードの継続使用が可能、ただし残債には7-37%の金利が…。企業の破綻・事業縮小が多発して失業者が急増、金利を含むカード残債の決 済が出来ずに個人破産が続発、100万世帯。


米国不況・米国相手の製品輸出国不況・それらの国への生産財輸出国不況・素材産業国不況…製造業・流通業・物流業… あらゆる面で、おサキ真っ暗です。金融不安は、まだまだメガトン級爆弾(金融保険商品など)を抱えているとか…。金融不安と円高の日本はどうなるんでしょ うねえ、ホトンドの会社の業績予想は大幅な下方修正です。


加工輸出国の日本、円高が続く筈が無いですよね。円高が続けば、経済がモッと悪くなる、更に財政状態が悪くなる、国 力も企業力も民力も更に弱くなる。そうなれば円は売るに限る、日本の経済的財産を吸い上げたところで金融悪魔は『円さん、儲けさせて貰ったよ、ハイさよう なら』、日本はズタズタ。第3次世界大戦で日本は惨敗だなんて?あり?


志野原生氏http://www005।upp.so-net.ne.jp/shigas/WELCOME.HTMより


いわし専科


九十九里町に、いわし専科の博物館がある。ガイドブック「ちばの博物館」にも載っていない、地図で見つけた博物館である。網元とか篤志家の作る小さい博物館かと思って出かけたが、案に相違して町立の立派な建物であった。最近の建立なのか。九十九里いわし博物館という。
豊漁期が周期的に現れる魚だそうである。記録に出てくる初めの大漁期が赤穂義士討ち入りの頃、二度目が黒船来航の頃という。今、私が読ん でいる藤沢周平の用心棒シリーズが一番目の時代に、平岩弓枝の捕り物シリーズが二番目の時代に相当する。おやおやと思いつつ説明パネルの文字を追う。引っ かかりがあると結構読めるものである。いわしがニシン科だとは知らなかった。
いわしの背が青いのは、上から見て、海水の色にとけ込んで発見されにくいためで、腹が白いのは、下から見て、太陽のぎらぎらと紛らわしく するため、つまり保護色だという。完全無防備で、90km/hもでるカジキのような魚がいる中で、泳ぐ速度は人様の半分以下、せいぜい大群を作って、食わ れる確率を低くする程度しか、種を保存する方法のない魚にとって、保護色は大切な防衛手段になっているのだろう。
そのもう一つの手段、大群を作る性質も、人間に悪用されて一網打尽の漁法に利用されている。そのいわし漁法は、紀州の漂流漁民に学んだ方法を基礎に、土地に合うように改良された。銚子の醤油も紀州の技術だった。紀州と千葉は結構繋がっていたらしい。
いわし漁は江戸時代の綿業と関係が深い。綿の栽培が急速に広がり、魚肥の需要が拡大したのである。水揚げされたいわしは、干鰯や〆粕の形 で取り引きされた。〆粕とは、梃子の原理を使った圧搾機で、煮た鰯を圧搾して、煮汁と油を絞った粕である。油は、深川佐賀町あたりに集中していた油問屋の 手を経て、行燈の灯油となり、江戸の夜を明るくしたはずである。不飽和度の高いエイコサペンタエン酸(EPA)エステルがたっぷりの油だから臭かったろ う。だが匂いの薄い菜種油に比べれば、はるかに安かったはずである。今はEPAは、血中コレステロール低下作用の故に、贅沢病患者に崇められているから皮 肉なものである。
事務所の女性に聞いて、鰯料理の店に行く。鰯の蒲焼きが載ったいわし丼、肉団子の入った味噌汁、白子(シラス-稚魚のこと)入りの卵豆 腐、つきだし、アワビの殻で焼いた鰯のハンバーグ。サラダと香の物、デザート以外は何らかの形でいわしが顔を出した。品書きを見ると20-30種のいわし 料理が並んでいた。鰯の三四郎という店である。結構食べさせるから一度訪ねてはいかが。

('98/02/05)

朝日新聞

GM、7~9月の世界販売11%減 トヨタ年間首位濃厚

2008年10月29日22時53分


 【ニューヨーク=丸石伸一】米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は29日、7~9月の世界販売台数が前年同期比11.4%減の211万4760台だった、と発表した。6月までの上半期は同2.9%減だったが、金融危機と景気減速の影響で大幅に落ち込んだ。

 GMは7~9月について、景気減速の影響が「米国から西欧にも拡大した」と説明。不振が続く北米が同18.9%減だったのに加え、上半期まで販売増を維 持していた欧州も同12.3%減と減少に転じた。南米やアジア太平洋地域では販売を増やしたものの、増加率は縮んでいる。

 これで、GMの08年1~9月の世界販売台数は前年同期比5.8%減の665万5751台になった。1~9月のトヨタ自動車グループ(ダイハツ工 業と日野自動車を含む)の世界販売台数は705万1千台で、GMを引き離している。08年の年間でも、トヨタがGMに代わって初の首位に立つのが濃厚だ。

 GMは07年、上半期まではトヨタに世界販売で首位を奪われていたが、1~9月の累計でトヨタを抜き返し、07年の年間でもわずかな差で世界一の座を死 守した。だがその後は、米国での販売減に歯止めがかからず、07年度の年度ベースでトヨタに抜かれ、今春以降も差をつけられている。

 ただ、GMは米同業大手クライスラーとの合併を模索しているとされ、実現すれば世界販売でトヨタを再び抜き返す規模になる。GMは来月上旬までに は7~9月期決算を発表する見込みだが、「具体的な期日は未定」(広報)としている。新たな資金調達策の検討やクライスラーとの交渉の進展などをにらみな がら決算発表の期日を決めるとみられる。


朝日新聞社説

リニア新幹線―大いなる期待と懸念

 JR東海によるリニア中央新幹線の計画が動き出した。同社が「南アルプスを貫く直線ルートでの建設が可能」との調査結果を国土交通省に報告した。今後は技術や採算を調査し、認可手続きを進める。2~3年内に着工し25年開業をめざすという。

 この超伝導リニアモーターカーは、鉄道の世界最高速度、時速581キロの記録をもつ夢の高速技術だ。営業では最高時速500キロで東京~名古屋間を40~50分で結ぶ。将来は大阪までの延伸も想定している。

 東京~名古屋の建設費は約5兆円。JR東海は政府の補助金に頼らず、すべて独力でまかなうという。

 JR発足後も新幹線を自前で建設した例はない。JR東海は稼ぎ頭の東海道新幹線を抱えていて体力があるとはいえ、リニアを自力建設できるなら民営化の成果といえよう。

 リニアの経済効果はきわめて大きい。東・名の大都市圏が直結し、大阪まで延伸すれば関西を含めて一つの経済圏になりうる。東~阪が1時間程度になれば空の客がリニアへ移り、羽田空港に国際線の増便余地が生まれて「空の玄関」も強化できる。

 東海道新幹線が25年には還暦を過ぎる。大補修や大地震で止まったときにリニアはバイパス役を果たす。

 世界初の超伝導リニア技術は、日本の産業を活性化させると期待できる。航空や自動車よりエネルギー効率がいい鉄道は世界各国で見直され、投資ラッシュが始まっている。リニアはそのリード役にもなるだろう。

 ただし、民間会社の事業といっても国民生活や経済社会に与える影響はきわめて大きく、公共性が高い。計画の妥当性を政府や関係機関がきちんとチェックし、国民や関係自治体の合意のもとに進めねばならない。

 利用者や自治体、経済界など幅広い層から意見を聴き、交通政策や産業政策などさまざまな観点から議論する場を設けるべきだろう。

 長野県など自治体はルートや駅の誘致に関心が強く、ややもすると利害調整に追われやすい。利権政治が鉄道建設に介入を繰り返した苦い歴史もある。21世紀の日本にふさわしい鉄道網とは何か。国土や産業のあり方などを幅広く議論してほしい。

 もちろん、初の技術への挑戦だけに、心配も尽きない。

 安全は確保されるのか。乗客や沿線住民の健康面は本当に大丈夫か。南アルプスの環境に悪影響はないか。これから人口減少が進むなかで、採算性に心配はないか。自前とはいえ、建設費の大元は乗客が払う運賃だ。失敗したら、国民的な損失は大きい。

 夢を現実のものにするためにも、このような懸念を一掃し、国民を納得させる責任がJR東海にはある。

2008年10月29日水曜日

読売新聞

まるは食堂「名物おばあちゃん」 相川うめさん死去 97歳

亡くなったうめさん(1989年12月撮影)

 戦後間もなく魚の行商を始め、一代で料理旅館を築き上げるなど、知多半島の“名物おばあちゃん”と慕われた「まるは食堂」創業者の相川(あいかわ)うめさん=写真、1989年12月撮影=が26日、脳梗塞(こうそく)で亡くなった。97歳だった。

 株式会社「まるは」によると、告別式は親族だけで行うが、お別れの会を11月4日午後1時、南知多町豊浜峠8のまるは食堂旅館新館で開く。葬儀委員長は豊浜商工会会長の青山福和氏。喪主は三男、坂野正一(まさいち)氏。

 相川さんは魚の行商をきっかけに、1950年、鮮魚店「まるは」を開店。61年には旅館の認可を取得して「季節旅館まるは食堂」を開業した。74 年、同社社長に就任し、その後は会長、相談役として会社を支え、2005年には中部国際空港や三越専門館「ラシック」にも出店した。しかし、昨年12月に脳梗塞で倒れ、入院していた。

 同町観光協会の渡辺幸一会長(57)は「女手一つで、よくあそこまで店を大きくされたと思う。南知多を観光地として広くPRするなど大きな存在だった。残念です」と惜しんだ。


中日新聞

「他人の喜びを自分の喜びに」 まるは食堂旅館創業者・相川さん悼む声

2008年10月29日

 二十六日に九十七歳で亡くなった、まるは食堂旅館創業者の相川うめさんは、南知多町豊浜で始めた小さな鮮魚店を一代で県外まで知られる有名店に育てた。身近に接した人たちは「人として、商売人として多くのことを教わった」と人柄をしのんだ。

 三男で現まるは会長の坂野正一さん(57)は「他人の喜びを自分の喜びにする人だった」と振り返る。孫で現社長の坂野豊和さん(33)は「『まる はらしさが保てるのか』と当初は中部空港への出店に反対されたが、お客さんの要望の多さを知って賛成してくれた。人として、経営者として常に立ち返る自分 の原点」と話す。

 四十年以上の親交があった豊浜商工会の青山福和会長(76)は「自分の身を削って周りを照らす、ろうそくになれ」との言葉を思い返すという。

 「あくどいもうけはしてはいかんとか、人付き合いを自分から避けるなとか、教わることはすべて正しかった」と話す。

 相川さんの半生を描いた「潮風の一本道」の著者三田村博史さん(72)=東海市=は「気骨のある、人をひきつける魅力を持った人だった」と惜しんだ。



2008年10月27日月曜日

じいちゃんの独り言http://okamoto1.at.webry.info/

執行猶予付き死刑とは何だ!


10月もあれよあれよと言う間に今週でお仕舞いですね。昨日から風邪を引いて体調最悪ではありましたが半年に1回のことであり、本日午後村野工業高校での 漢検テストに行って参りました。熱に浮かされて思考能力減退のハンディを背負っての挑戦でありましたが点数は兎も角として何とか無事終了しホッと安堵して 居ります。今回も準1級では会場での最高齢者だったようです。(;;)斜め前に今回も又違う坊やが一人受験しているので試験終了後声を掛けると平成10年 生まれの10歳とか(^^)、うちの孫娘と同じ歳なのに愕きました。4級のテストも同じ時間帯に行われましたが、此方は殆どが中学生でしたから4年生の坊 やは異彩を放って特異な存在でしたね。
会場の村野工業高校は男子校のため学舎の中が前回までの会場であった山手短大と比べてメチャ汚く、おまけに女子受験者の多い漢検のために1階のトイレは臨 時で全て女子専用とされましたが、小便器ばかり多いために、他の時間帯では行列ができて試験開始に支障を来したのではと思った位でありました。(;;)
次回は来年6月受験(2月のテストは確定申告のためパス)となりますので束の間の微睡(まどろ)みとなりますが、その微睡みが曲者で油断すると此までの記 憶脳の中身が根刮(こそ)ぎ攫って行かれますから、明日から矢張り例え一日10分でも20分でも漢字を書く習慣を欠かすことができません。
例年減っては来ていることは実感して居ましたが、今年は際だってトンボの姿を見ることが少なくなり、いつもは夏から秋にかけて路上を乱舞する秋茜(アカト ンボ)がこの辺では殆ど見られなくなりました。産卵に必要な池や川のワンドなどがどんどん失われていることが原因だと悲しく思いますが、先日の早朝事務所 の庭で秋茜が一匹睡んでいるのを偶然見付けました。色褪せて居て老境に入ったことが窺えましたが、そっと手を差し伸べると、逃げないで私の手にすっと移っ てきましたから或いは死期の訪れを悟って飛ぶ力が失われていたものかと思ったのですが、写真を写して元の場所に戻して振り向くと居なくなっていましたから 朝の散策の途中、優しそうな?老人への労りのタッチであったかも知れませんね。(^^)

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トンボは昔から幸せを招く女神と謂われていますが、我が国がここ数年来世界経済の荒波の中に翻弄されて居るのは、トンボが少なくなったことにも由来するのではないでしょうか。(;;)

文化審議会によれば社会生活でよく使われている漢字の目安となる常用漢字の改訂作業を平成10年の答申に向けて進めているようですが(何時まで掛かってい るのか!)今回新たに古刹の“刹”脊椎の“椎”賭博の“賭”遡上の“遡”なども加えることとした案を纏めたようです。どうして上記の字が選ばれたのか知る 由もありませんが、考えてみれば脊椎の“脊”だけ置いてけぼりはおかしく、賭博の“賭”にしても、私のエイトクはアホで“者”の間にチョンが入っていませ んが、辞書では猪のように“者”にチョンが入っております。此は常用漢字になった字は全て其れまで付いていたチョンが省かれるようになったためですが、当 然に常用漢字以外の字はチョンが必要であり忘れると×になります。従って常用漢字昇格と同時にチョンをも消し去ることになりましょうが、常用漢字になった からと今更字体まで変えられるのはどうかと思いますね。常用漢字と謂えば皆様は“繭”(まゆ)と謂う字をご存じでしょうか、繭は虫が糸になるからつい左が 虫だと思い勝ちですが、事実は紛らわしくも左が糸で右が虫であって、ややこしい漢字であり、漢字が昔は右上から左下へと書かれていた名残かと思われます が、書き順が左から右へが主流となりつつある昨今漢検の受験生を悩ます処です。この字がさらっと書ける方は幾歳の方でも漢検2級は楽勝でしょう。(^^) 一般の方は養蚕業も廃れた昨今こんな字が常用漢字だとは愕かれるでしょうが、何れも髄や虜などと同じく大威張りで2級の書取りに出て参ります。(;;)文 化審議会も詰まらぬ字を常用漢字に降格させることばかり考えないで使われる頻度の少ない漢字を棚上げして常用漢字から除外することも必要なのをサボってい るように思えてなりません。現在1945字ある常用漢字が2131字に増えるなんて受験生いびりも良いとこですよね。(;;)

先週新聞の片隅に小さく元北京副市長に執行猶予つきの死刑判決が下されたとありました。
此の男は在任中に北京市内の土地開発を巡って業者から賄賂を円価にして約1億円受け取っていたことが発覚したそうですが、役人のすることは中国も日本も変 わりませんね。変わっているのは此の汚職事件に対して被告は裁判所で一審判決を受け、執行猶予2年付きの死刑判決を言い渡されたそうです。執行猶予付きの 死刑とはハテ?聞き慣れぬ言葉ですが、2年後に死刑になることなのか、2年間罪を犯さなければ死刑が消滅するのか定かでありません。日本の考え方なら後者 になりますが、残虐な中国のことですから前者も当然に視野にいれねばならぬでしょう。そして若し前者であるなら通常の死刑より遙かに過酷な刑となりますよ ね。何時執行されるか分からぬから死刑囚も生きて行けるので、余命が後730日から1日宛減って行くのを毎朝どんな気持ちで迎えられるのでしょう か。(;;)

社会保険庁がオンライン化以前の1986年より前にも改竄が多くあったとの第三者からの証言が先日民主党の会合で行われました。此の男性Sさんは78年か ら82年に掛けて都内の毛皮製品卸売会社に勤めていましたが、月額給与が実際には月額25万円程度であったのに社保庁で本年4月に受給手続きをした際、標 準報酬月額が9万8千円と溯って引き下げられて居り、Sさんの当時の同僚数人に確認したところ同じ頃同じように引き下げられていたことが判明したとか… (;;)この不幸な方は82年に退職されて半年間に受給された失業保険は離職時の1日当たりの賃金が約1万円と明記されて居り此の書類を証拠にこの6月、 総務省年金記録確認東京地方第三者委員会(何でこんなに長いの?)に記録訂正の申し立てを行いましたが、ナント!第三者委員会の担当者は失業保険が正しい 給与を基に支払われて居ても年金保険も相応に天引きされたとは言い切れないと言ったそうです。会社が標準報酬の申告を誤魔化したのか、社保庁主導による引 き下げだったのかは異論のあるところですが、溯って標準報酬を引き下げるなど会社が自発的にできる訳がなく社保庁の何らかの勧奨があったことが充分に頷け ます。
第三者委員会などと尤もらしい名前を付けながら、その実厚労省の諜(まわしもの)なのか、或いは厚労省に恩を売っておこうと総務省が考えたものか、厚労省 ではグルと思われてはまずいので総務省の名を借りたのか知れませんが、少なくとも第三者と名付けた以上民間の有識者(役人の言いなり)を除いた公募方式無 作為抽選で委員を選ぶべきでしょう。
公的な書類で年金受給者の給与額が確認された以上例え勤務した会社に作為があろうとも、それを見逃した社保庁の罪の方が遙かに重く、年金は無条件に訂正されるべきでありましょうが、役人の世界には全く以て白々しい話もあったものですよね。
民主党さん喧(かまびす)しいばかりで普段は少しも頼りにならないけど選挙も近いことだし、今度ばかりは頑張って下さいね。(^^)

大阪北区の聞くも無惨な低速ひき逃げ事件は、引き摺った被害者に対する仕打ちが余りにも残虐だったため殺人事件として大阪府警が総力を挙げて取り組んで居 り全国版の事件となろうとして居ります。愈々車も特定されようとして、確実に犯人の在処に近づこうとしているようですが、このドライバーは不幸にして信号 の停止線を超えて止まっていたために、夜でもあるし信号が変わった後、前を横切ろうとした人を見落とし発進したものと思われます。信号の停止線の位置の意 味を教えられた事件でありましたが、衝撃音を耳にしたドラーバーが最初に考えたことは何だったでしょうか。恐らく酒気帯び運転の発覚を恐れての逃走であっ てそれが殺人事件にまで発展したものでありましょうが、ドーンと大きな衝撃音がこの人の全ての判断力を失う切っ掛けとなり、酔いが覚めた今となってはあの 時如何して止まらなかったのかと日夜悔恨の思いに苛まれ迫り来る捜査陣に恐れ戦いていることでしょう。(;;)何れにせよ後悔先に立たずであり、皮肉では ありますがきっとこの人は今一番恐れている逮捕されることで、一人の人間として真から心の安らぎを憶え拘置所では熟睡の夜を迎えられるものと思います。然 しそうなると代償としてこれまで築いてきた家族や仕事や全ての物を失うことになりますから、そんな風に考えるとこの人が自殺する可能性が決して低くないこ とが見えてきましたね。私自身だったらどうするのかなど考えていると一寸先も見えぬ“無明の闇”である人の運命の儚さをつくづくと思い知らされました。

投稿
執行猶予付き死刑とは何だ!について
「標準報酬を引き下げるなど会社が自発的にできる訳がなく社保庁の何らかの勧奨があったことが充分に頷けます。」まったく、おっしゃるとおりです。事務所名や本名を公開しての、先生の歯に衣を着せぬ御発言に、憤懣が半減、清涼剤です。

私は今、店を畳み、失業者で、求職活動中。先生のブログを、楽しみにしております。 http://www.geocities.jp/bnbn458bn 60歳



志野原生氏http://www005।upp.so-net.ne.jp/shigas/WELCOME.HTMより


曳舟通り


向島は、明治以降に大幅な河川改修がなされたために、捕物帖を読むのに苦労な場所である。江戸時代の綾瀬川に沿って荒川放水路ができ、蛇行の著しかった旧中川を南北一直線の新中川に引き直した。旧中川は沼として残る一方で、いくつかの中小の河川堀割が埋め立てられた。
曳舟川は業平橋あたりから旧中川にほぼ南北一直線に引かれた堀割である。多分河口に近くになって荒川が分岐し、その支流の一つが手を加え られて出来たものであろう。荒川放水路までの曳舟川は昭和の初め頃までは残っていた。東武博物館に展示されている昔の航空写真に川筋が見える。今は埋め立 てられて曳舟川通りとなった。
本所深川の西寄りを除いたら隅田川の東は田園地帯であったと、捕物帖には描写されている。生活しているときは、どこにでもある風景だから 誰も記録しない。時代が変わって大都会に組み込まれた後では、振り返っても過去を語るものは大抵殆ど残っていない。都市特に大都市の失われた過去は想像す るだけである。曳舟川筋もその一つであると思っていた。
千葉県立美術館の常設収蔵作品展「浅井忠、その生涯」を見た。浅井忠は近代日本洋画の父と云われる人で、千葉県佐倉の出身であるためか、この美術館で集中的に作品蒐集されている画家である。
展示作品の中に'85年(明治18年)制作の「曳舟通り」があった。ペン画である。ペンの黒線で描かれた、写真のような写実的な画であ る。運河を中心とした風景である。船頭の乗った猪牙と筏がすれ違おうとしている。もう一艘分ぐらいの水路があるからまあ川幅は4間である。両川辺に平行に 細い道が続く。片側に藁葺き屋根の小屋が三棟見える。その一つは川にせり出し屋根の下は吹き抜けである。道を挟んだ残りの一つには小さな幟が幾つも見え る。馬を曳いた馬子が通りかかっている。どうやら三棟纏めて一軒の茶店らしい。川の先に簡単な橋と人が見える。
まだ江戸時代をそのまま引きずっていた頃のスケッチである。高い土手を作っている風でもない。曳舟というから昔は上りを引っ張ったのだろうが、その人物は描かれていなかった。
浅井忠は農婦や漁婦を写実的に描いた。日清事変の従軍画家としてのスケッチも情景を彷彿させる。たとえ同じ情景が写真で残っていても、彼の絵やスケッチの方が、見る目により真実に近いと映るに違いない。

('98/02/02)



朝日新聞

ネットの書籍検索 文芸家協会が「過大公開やめて」

2008年10月26日


 出版社がインターネット検索会社と協力し、書籍の文章の一部をネット公開するケースが増えている。作家ら約2500人でつくる日本文芸家協会(坂上弘理事長)は、過大な公開を避け、著作権者に必ず許諾を得るよう求める文書を、出版社約500社に送った。

 文章が公開されているのは、書名や著者名、出版社名で本を探せる書籍検索と呼ばれるサービス。無料で利用でき、サービスによっては文章の一部を検索したり、読んだりすることができる。

 文章も読める書籍検索サービスは、ネット検索大手グーグルが07年に日本版を開始したほか、アマゾンは05年、ヤフーは02年に始めている。

 日本文芸家協会によれば、出版社から必ず著作権者の許諾を得るなどと説明されていた。ところが今年、複数の作家らから「公開が著作権者の許諾なしに行われた著作権法違反にあたる可能性がある」との相談があり、9月の理事会で議論になった。

 書籍の全ページの20%が読める場合もあり、短編集や詩歌、人物エッセー集など本の種類によっては大半の中身がわかるという点が問題になった。本が売れなくなる懸念もあり、同協会は16日付で出版社に文書を送った。

 出版社側からすれば読者サービスのほか、販売促進の意味もある。同協会の担当者は「本を紹介してもらえるのはありがたく、一概に反対ではない」とも言っている。(小堀龍之)


挙式当日、式場に放火容疑 新郎「結婚が嫌になった」


 結婚式を挙げる予定だったホテルに放火したとして、山梨県警北杜署は26日、昭和町築地新居、会社員河田達彦容疑者(39)を現住建造物等放火の疑いで逮捕した。河田容疑者は「結婚するのが嫌になり、火をつけた」「騒ぎになれば中止になると思った」「結婚できない訳があって悩んでいた」などと供述している、と同署は説明している。

 同署によると、河田容疑者は、25日午前2時半ごろ、同県北杜市小淵沢町の「リゾナーレ」の音楽の森ホール2階にある従業員通路の床に、油をまいて火をつけ、天井や壁など約30平方メートルを焼いた疑いがある。けが人はなかった。

 河田容疑者は25日午後、ホテルで結婚式を挙げる予約を入れていたが事件後、キャンセルしたため、同署が事情を聴いたところ、容疑を認めたという。自宅 から車でホテルへ行き、放火したという。火はスプリンクラーで消し止められたが、ほぼ満室の約350人が宿泊しており、うち約150人が一時避難する騒ぎ となった。同日は大安だったため、8組の結婚式が予定されていた。


朝日新聞社説

原油急落―ホッとしつつ学ぶ教訓

 原油がニューヨークで1バレル=147ドルの史上最高値を記録したのは、ほんの3カ月前のことだ。天井知らずと思われた高騰が世界を震撼(しんかん)させた。それが一転しての急降下だ。先週はピークの半値以下、60ドル台前半まで下げた。

 急落は、米国の金融危機で投機マネーが逃げ出した影響が大きい。

 それに輪をかけているのが需要の減少だ。金融危機の火の手が各国へ広がり、世界同時不況が避けられなくなった。そうなればエネルギー需要は減る。すでに足元でも、世界の原油需要の2~3%分、日量200万バレル以上が減ったとの見方も出ている。

 危機感を抱いた石油輸出国機構(OPEC)は先週末、臨時総会を開き150万バレルの減産を決めた。価格下落で大きな打撃を受けた加盟国から大幅減産を求める強硬論が強く、比較的大きな減産幅となった。

 日本の人々の暮らしや経済活動にとって、原油価格の下落は朗報だ。海外の不況や円高による輸出企業の業績悪化、株安による逆資産効果など、景気には悪材料ばかりがめだつ。そのなかで企業や家計の負担を減らす原油急落は、数少ないプラスの材料だ。

 今年に入ってからのうなぎ登りの原油暴騰は、日本経済に深刻な打撃を与えていた。ガソリン価格や電気料金、航空料金が上昇。行楽客が減り、燃油コストの 負担増で長距離トラック業者や水産業者らから悲鳴があがった。政府も省エネ投資への補助などの対策を打ち出したものの、抜本的な解決策が見あたらない状態 だった。

 世界同時不況と輸出減少という大嵐を乗り切るために、このプラス材料を大切に活用したい。

 混迷する世界経済のなかで、当面は下落が続くかもしれない。ただ中長期的に考えれば、世界の人口はまだまだ増える見通しだ。発展する中国、インドという新興大国の需要が、今後も膨らみ続けるのはまちがいない。

 この需要を満たすには、辺地や深海の油田やオイルサンドなど、コストが高い石油を開発せねばならない。「それには60~70ドルの価格が必要」とみられている。だとすると、いずれ世界経済が安定を取り戻せば、原油には再び高値圧力がかかる時が来る。

 さらに、新エネルギーの開発や省エネ努力を採算に乗せ加速させるには、原油がある程度は高くなくてはならない。地球温暖化を抑えるため、エネルギーが高価格になることを覚悟しておくべきだ。盛り上がってきた脱石油の熱を冷ましてはならない。

 重い教訓はまだある。投機マネーの暴走だ。投機マネーは世界金融危機を生み、原油や食糧の暴騰、暴落をもたらした。来月15日に開かれる緊急サミットでは、その抑制策について突っ込んで話し合ってもらいたい。

学術研究―女性の力を生かす大学に

 「大学の女性研究者を増やすために真剣に努力します」

 東京大や京都大など国立の主要7大学の学長が先月末、男女共同参画をテーマにしたシンポジウムに顔をそろえ、こう宣言した。

 共同宣言は「公正な評価に基づく女性研究者の積極的登用」に知恵を絞るという。学長たちのリーダーシップで、思い切って進めてほしい。

 研究者のうちに女性が占める割合は日本では12.4%。先進国の中で際だって低い。たとえば米国は34%、英国は26%である。

 独創的な発想が大切な学術研究の場には、多様な個性が欠かせない。とりわけ人口が減る時代、天の半分を支える女性の力を生かさない手はない。

 女性の活躍が期待されているのにまだまだ少なく、重点的に増やすことが必要な分野として、内閣府は今春、公務員、医師と並んで研究者を挙げた。

 先週施行された研究開発力強化法も、女性の力を生かすことをうたう。

 実は、女性比率で全国平均を下回るのが国立の主要大学だ。共同宣言は現状への反省があってのことだろう。

 具体的な対策も、少しずつ始まってはいる。

 名古屋大は04年、「業績が同等なら女性を積極的に採用する」という方針を掲げた。教授や准教授への女性の応募が増える傾向があるといい、女性比率も11.7%で、7大学中トップだ。

 北海道大が06年から始めた制度では、女性を採用したら、その人件費の4分の1を大学本部が学部に補助する。能力が同じなら女性を採用した方が得になる、というわけだ。

 文部科学省も来年度から大学や研究機関に、女性研究者を採用するごとに600万円を支給する。

 一方で、女性が研究を続けていくためには、育児や介護など家庭生活との両立をしやすくするとともに、出産・育児による中断が不利にならずに復帰できる仕組みも大切だ。

 文科省は06年から、保育所をつくったり研究の補助者をつけたりする女性研究者支援モデル育成事業を、私大を含む全国の大学で始めている。

 お茶の水女子大は、5時以降は公的な会議をしない、というユニークな原則を決めた。

 よい仕組みは全国に広げてほしい。環境が整えば、採用する側も安心して女性を選べるようになるだろう。

 学部別、あるいは教授などポスト別に、女性割合のデータもぜひ公表してほしい。努力の結果も見えてくる。

 女性にとって働きやすい職場は、男性にとっても働きやすいはずだ。そんな環境であってこそ、次代を担う若者を引きつけることができる。7大学の共同宣言を機に、女性が活躍できる場をもっと広げていきたい。

http://pub.ne.jp/shimura/?cat_id=84552&page=2志村建世氏のブログより

2008.10.25

46年後の十三湖(3)

十三湖の大きさは、解説書によると周囲30キロということで、かなり大きな湖です。これを私は、自転車でほぼ3時間かけて右回りに一周しました。寒 村ですから人に会うことも少なく、南岸の干拓地では、道を聞くにも、人が見当らなくて困りました。ようやく見つけた農作業中のおばあさんは80歳。若いと きは東京へ出稼ぎにも行ったが、やはりここが「住めば都だ」ということでした。津軽弁の話は、私には半分も聞き取れませんが、幸いに私の言うことは通じる ので会話ができました。「体はどこもなんともねえ、働くが一番」の元気を貰って、握手して別れました。
 行程の最後のころは、さすがに疲れ果てて両足に筋肉痛が始まり、少しの上り坂も自転車を降りて押して歩くありさまでした。しかし少し休めば回復します。 帰宅して一晩寝た朝に、足に少しの痛みも疲れも残っていないのに、我ながら驚きました。森林浴と有酸素で、無理のない運動だったからでしょうか。
 私が十三湖にいられた時間は20時間に過ぎません。会計は1泊2食で7000円に、「いらない」と言われた自転車の借り賃が1000円ですべてでした。 夕食のご馳走は、私が特に頼んで「おいしく食べ切れる分量」に減らしてもらったほどでした。帰りの五所川原行きの路線バスは、ミニバスでした。津軽鉄道の 終点の津軽中里からは、十三への路線バスは、ないのです。 
 短くても充実していた自分流の旅は、こうして終りました。

2008年10月26日日曜日

志野原生氏http://www005।upp.so-net.ne.jp/shigas/WELCOME.HTMより


漁業協定終了


1/23付けの夕刊に、韓国への終了通告がなされたという記事を見た。我が国は終了通告で、協議続行ではいつまでも改善されない韓国漁船の自主規制違反に、終止符を打ちたいのである。
韓国との間に新協定ができなければ、国連海洋法条約に基づく200海里の排他的経済水域の設定で、陸地の目と鼻の先で外国漁船の操業を許 すことはなくなろう。今の協定では、韓国漁船の沿海入漁制限は、12海里の領海以外は自主規制だけが頼りだが、終了で後1カ年は自由になった。だから明く る日には韓国漁船が北海道室蘭沖に出現しおおっぴらに操業しているという。
その自主規制も韓国側は殆ど守っていない。さすがに規制中は室蘭までは来なかったかも知れぬが。数年前の統計だが、報告された違反隻数が 千数百で、内容は大型トロール船での根こそぎ乱獲、領海侵犯、操業禁止区域での操業、漁具破壊、小型漁船の操業妨害などに及ぶ。やりたい放題にやられてい たという印象である。いかに訴えても管理権は韓国にあるので馬耳東風を決められたらそれまで、実際にそうだったという。
排他的経済水域では日本は管理権を行使できる。1年経てば、我が国の漁船の他国水域入漁と同様に、何らかの規制の下で、韓国漁船も活動せ ざるを得なくなるであろう。韓国も200海里法を批准している以上理解済みのはずである。時代の流れが経済水域を作って囲ってしまう方向にあると云うこと である。
排他的経済水域は海洋資源の保護と言いながら、内実は国家利己剥き出しである。漁業先発国にたいする抜きがたい不信感もあった。入漁料に 漁獲量制限を付けられて遠洋漁業国は軒並みに漁獲量を下げた。日本の遠洋漁業も衰微し、主力は近海漁業に移った。今では総漁獲量は最盛期の6割ほどであ る。それでも摩擦を避けた我々の大局判断は正しかったと思う。
資源保護の面では漁夫の国籍が移っただけで、どれほど貢献したか疑問である。だが我が国では、稚魚養魚放流とか、ハタハタのような禁漁期 間の遵守などで、資源維持にかなりの効果を上げた。家畜同様魚も育てるものという意識が根付きだした。この意識は、将来の人口爆発を思うとき、非常に大切 で、世界の良識の要請に国民規模で答えたと言えるのではないか。
後1年で200海里になると判っていながらやっている日本沿海でのトロール船乱獲操業を、映像で発信されている今の韓国漁船は、決して自国民の将来に好結果をもたらさないと諫言申し上げる。

('98/01/29)

「老コンサルの残日録」http://ameblo.jp/tkjsk0231hzannitiroku/より


素人なので解りませんが


24日のニューヨーク商業取引所の原油市場では、国際指標となる米国産WTI原油の先物価格が一時、前日終値より5 ドル以上安い1バレル=62.65ドルまで急落した、との報道がありました。最近のガソリンスタンド、ツイこの間は200円近かったガソリンが150円台 なんですね。


1バレル=140ドルに~、日々架け替えるガソリンスタンドの値上げ値段表、車の使用は控ええて自転車通勤に…クルマユーザーの姿、事業上アブラを多用する業界の悲鳴、政府の緊急対策…のニュース、ついこの間の事です。経済状況が超高速で激変します、ゾッとします。


世界中が金融不安と株価の急落で悲鳴を上げています。昨日の日経平均株価は7,649円、バブル後の最低株価レベ ル、4.5ヶ月前のそれは14,000円前後でした。今朝の5時半時点で1米ドル=94円42銭、2年半前のそれは120円前後、日本円は米ドル初めホト ンドの通貨に対して急騰しています。


バブルの頃、1米ドル=80円位の時に米国へ出かけました。<円 高>って良いもんだ、実感しました。その頃の日本経済は≪バブル(泡)ではあるけれども≫表向き国力は充実、経済は活発でした。現在の日本の状況は、その 頃と正反対、財政危機・金融危機・長期不況・家計負担増、ましてこれからは…どうして?やはり≪円≫が狙われて?


米国の平均的な家庭、収入の中でのやり繰り感覚はゼロ、買物は総てカード、リボ払いが主体なのでローン残高の10% だけ決済されればカードの継続使用が可能、ただし残債には7-37%の金利が…。企業の破綻・事業縮小が多発して失業者が急増、金利を含むカード残債の決 済が出来ずに個人破産が続発、100万世帯。


米国不況・米国相手の製品輸出国不況・それらの国への生産財輸出国不況・素材産業国不況…製造業・流通業・物流業… あらゆる面で、おサキ真っ暗です。金融不安は、まだまだメガトン級爆弾(金融保険商品など)を抱えているとか…。金融不安と円高の日本はどうなるんでしょ うねえ、ホトンドの会社の業績予想は大幅な下方修正です。


加工輸出国の日本、円高が続く筈が無いですよね。円高が続けば、経済がモッと悪くなる、更に財政状態が悪くなる、国 力も企業力も民力も更に弱くなる。そうなれば円は売るに限る、日本の経済的財産を吸い上げたところで金融悪魔は『円さん、儲けさせて貰ったよ、ハイさよう なら』、日本はズタズタ。第3次世界大戦で日本は惨敗だなんて?あり?

一番キライなテレビコマーシャル


停年退職した夫婦(俳優が停年年齢よりカナリ若く見えるのがチョッと気になります、この会社は60歳停年なのかな?)が、ユッタリ温泉(の庭)を楽しんでるテレビコマーシャルがあります。(エーッまだやってるのこのコマーシャル?)


奥さん『…(こんなユッタリ温泉旅行が出来るのも)退職金のお陰だと(貴方は)思ってるでしょう。が、私は知っている、あの人のお陰なんだと…』。このコマーシャルのスポンサーは≪住友信託銀行≫。ナントまあ!!!


このコマーシャルを見るたびに思うこと、こんなに恩着せがましく身勝手で消費者・預金者を馬鹿にしたコマーシャルは無いなあ。スポンサーの住友信託銀行の関係者は、そう思わないんでしょうか。
                                    
団塊の世代が大量定年退職の時期に入りました。彼等の退職金をゴソッと…預金させ信託させ手数料をガポッと…、余りにも住友的、見るたびにイヤーな気がします。資産運用のプロ?こんなイカガワシい人達はいません。


同行ばかりでなく総ての金融機関(銀行・信託・証券・保険・信金・農協…)が、預かったおカネの貸し出し先に困って、預金者に対し、妖しげな資産運用のプロのアドバイスのもと危なそうな金融商品を売りつけて手数料稼ぎに血道を上げています。


挙句の果が今回の世界的金融危機と大不況の到来。為替の大変動、ファンドの惨敗、世界中の株価の暴落…金融機関のプロ(?)の資産運用コンサルタントの助言(お客さんのためでは決して無いんです)で大損した人達、売った金融機関はスマシ顔…。


最近のテレビコマーシャル、『…1日ワズカ243円…』騒がしい外資保険のコマーシャルが減りました、何らかの規制がかかったのかも、消費者金融業者のコマーシャルが減った代わりにメガバンクの消費者金融のコマーシャルが…、おかしいなあ。


中央も地方も、前は無かった遊技場関連のコマーシャルがここへ来て目立ち始めました、特に地方ではパチンコホールのコマーシャルばかり、テレビ業界 は広告の落ち込みを何とかしないと…テレビ業界の高賃金は異常、これを維持するには何でもあり?…でも、これってイイのかなあ?

2008年10月23日木曜日

志野原生氏http://www005.upp.so-net.ne.jp/shigas/WELCOME.HTMより

陰徳善事


定年退官の前の年に見知らぬ学生から電話で勧誘されたのがきっかけで、母校京大の学生新聞の購読を始めた。若い世代の良識を紙面に見ることができる。
本年の年頭所感では精神の高揚を謳っている。
「世界を担う指導者になろう」「情熱を与える大学教育が必要」という見出しになっている。偏差値だけで無目的に入り、ところてん式に出れ る。いい大学に入れたら就職もまず困らない。だから大学は「レジャーランド」を通り越して「愚者の楽園」と化した。教官は学園紛争以来萎縮して、身をもっ て高邁な精神を発揚しようなんて気はない。ただただ安易な専門馬鹿に走るのみ。大学に学ぶものが自分の欲望だけに走ってどうする、民族さらに全人類に貢献 しようとする気概が無くてどうする、その理想を語らなくてどうする。
学生新聞は退化する大学に対して警鐘を鳴らしている。精神の生活に占める比重がこれほど軽い時代を、日本人は今まで経験したことがない。 神からの報復への怖れが遠のき、社会が不文律として持ち続けてきた枷-倫理観-も無実に近くなった。そして現世への欲望がどの時代よりも勢いを持つように なった。大学も大衆化して、いい意味での昔のエリート意識とか使命感などは、もう期待できないようになった。お説ごもっともである。
使命感どころでない。最近の、世間の耳目をそばだてている「汚い」事件は、殆どが最高学府に通う人、出た人たちによって起こされている。高級官吏の汚職、議員の悪徳、帝京大ラクビー部員日体大スケート部員の集団婦女暴行など弁解の余地もない。
こうなると、今や罪を憎んで人を憎まずなどと云ってはおれない。現在の刑法の成立時期はそんな理想が通ったかも知れないが、こと精神生活 に関しては、たがが緩むのに比例して、悪い方へ悪い方へと動く。刑の軽さが罪の意識の軽さに通じているとさえ思う。道徳が占めた地位を法で埋めなくてはな らなくなった。沖縄の米軍兵士の犯罪に対する刑罰が、アメリカ本土と比較され、軽すぎるとされてきた。顰蹙の度合いに応じて刑をもっともっと重くすべきで ある。刑法の精神の改定期に達している。
アメリカ・イギリスでは性犯罪者に対する満期後の再犯予防のための追跡調査と注意喚起をやっている。事件を起こした帝京大生、日体大生も 同様にすべきである。一部の弁護士に見られるような、犯罪者の人権に固執する言動は本末転倒である。その人達が錦の御旗のようにしてきたお題目、統制官僚 国家化、の危惧は今やはるかに遠のいた。
表題「陰徳善事」は、近江商人訓の一つである。今日の話にぴったりの標語である。ある菓子司に飾ってあった。そんな心掛けを使用人に教え 込んだ商家の心意気は、細々ながらでも今の我々に伝わっていると信じたい。倫理観は相伝せねばならない。相伝とは成人が若い世代に引き継ぐことである。教 官は常設の相伝する場を持っているという意味で非常に責任重大である。教室が白けようが、学生が集まらなくなろうがやらねばならぬ。倫理問題は専門外と他 人に押しつける人は教官とは云えぬ。私の経験では、専門の話より、その方の話を記憶してくれるものである。

('98/01/25)




朝日新聞社説

妊婦死亡―救急医療にもっと連携を

 大都会の救急医療に、ぽっかりと大きな穴が開いているようだ。

 東京都内で、具合が悪くなった出産間近の36歳の女性が七つの病院に受け入れを断られた。約1時間15分後に病院に運ばれて出産したものの、3日後に脳内出血で亡くなった。

 同じようなことが一昨年、奈良県でもあった。入院中の妊婦が重体になり、転院が必要になったが、隣の大阪府も含めて19病院に受け入れを断られ、やはり脳内出血で亡くなった。

 背景には、全国的な産科医不足がある。急な患者を受け入れる余力が、医療機関に乏しくなっているのだ。

 それにしても、医療機関がたくさんあるはずの東京で、と驚いた人も多かったのではないか。厳しい条件の中でも、なんとか急患を受け入れる態勢をつくるにはどうすればいいのか。今回起きたことを点検し、今後のために生かさなければならない。

 亡くなった女性は下痢や頭痛を訴えた。かかりつけ医の手に負えないことから、受け入れ先を探した。

 最初に連絡したのは、危険の大きい出産に24時間対応するために都内に9カ所置かれている総合周産期母子医療センターの一つ、都立墨東病院だ。

 ところが、墨東病院では産科医が減ったため、7月からは週末や休日の当直医は1人になり、急患の受け入れが原則としてできなくなっていた。

 この日は土曜日だった。1人だけの当直医は受け入れを断り、他の病院を紹介したという。紹介した病院にも「空きベッドがない」などの理由で次々に断られ、墨東病院は2度目の依頼で医師を呼び出して対応した。

 総合周産期母子医療センターは最後のとりでだ。そこが役割を果たせないようでは心もとない。産科医不足という事情があるにしても、東京都には急患に備える態勢づくりにさらに努力してもらいたい。

 いくつもの病院で受け入れを断られた背景には、都市圏ならではの要因もある。地方と違って医療機関が多いため、ほかで受け入れてくれると考えがちなのだ。

 そうした考えが、危険な出産に備える医療機関のネットワークが必ずしも十分には機能しないことにつながる。医療機関同士でもっと緊密に連絡を取り合うことに加え、ネットワークの中で引受先を探す司令塔のような存在をつくることも考えたい。

 もう一つ大切なことは、全く別々に運用されている産科の救急と一般の救急の連携を強めることだ。産科の救急で受け入れ先が見つからないときは、とりあえず一般の救急部門で受け入れる。そうした柔軟な発想が必要だ。

 医師不足を解消する努力はむろん大切だが、病院や医師の間で連携に知恵を絞ることはすぐにでもできる。

中国経済―世界を下支えできるか

 米国を震源とする世界同時不況が広がる中で、「世界の工場」中国の陰りが明確になった。国際経済を支えてきた柱の一つだけに、どこまでブレーキがかかるのかが心配だ。

 中国の国家統計局は、7~9月の国内総生産(GDP)実質成長率が昨年同期比9.0%だったと発表した。今年は年間で、6年ぶりに10%を割ることがほぼ確実になった。

 減速の大きな要因は輸出の縮小にある。大輸出先の米国の景気が落ち込むにつれて、繊維、玩具などをつくる沿海部で工場の閉鎖が相次いでいる。広東省では、閉鎖した玩具工場の従業員7千人が解雇され、数千人が未払い給料を求めて工場に押し寄せた。

 もともと北京五輪後には「五輪景気」の反動が来ると心配されていたが、世界同時不況が重なってしまった。かつては過熱が懸念された中国経済の大きな転換点になりそうだ。

 中国の減速は世界にとっても痛い。米国では金融市場の混乱が続き、景気の悪化はむしろこれからが本番だ。「少なくとも全治数年」との見方が広がる。米経 済が復調しても、以前のように世界中が対米輸出に依存するのは望ましくもなかろう。となると、どこが世界経済を下支えできるのか。

 日本は人口減少社会に入り成長力に陰りが見えるため、日本に期待する声は少ない。欧州連合(EU)への期待もあったが、金融危機が延焼して欧州経済もいま失速しつつある。

 期待されるのがBRICsとよばれる新興国、とりわけ成長著しい中国だ。いまやGDPで世界4位。2010年代には日本を、30年代には米国を抜 いて世界一になるとも予測されている。中国ほど潜在力をもつ国は見あたらない。同じ新興国でも、ロシアやブラジル、インドの経済規模は、中国の半分から3 分の1にすぎない。

 中国政府は経済発展を維持するために内需振興をめざす。当面の対策として、輸出のてこ入れもしつつ、農業補助金の拡大や中小企業への融資増、産業基盤や民生分野のプロジェクトへの投資などを進める方針を決めた。

 中国は毎年1千万人の新規雇用を確保し、成長の成果を貧困層へも広げて社会を安定させるために、毎年7~8%の成長を必要としている。政府が経済減速に歯止めをかけようとするのはそのためだ。

 巨大な人口と潜在的な成長力をもつ中国の動向は、いまや世界全体を左右する重みをもっている。その影響は、貿易や投資・金融の分野はもちろんのこと、資源エネルギー問題から地球環境の保全にまで及ぶ。

 成長を維持しつつ、社会的にも調和がとれ安定した経済へ移行していく。欲張った注文ではあるが、中国にはそんな姿をめざしてほしい。



毎日新聞

米大統領選:ペイリン氏逆風 公費で子供旅費、党が衣装代

22日、米オハイオ州グリーンで、支持者に冗談を言って舌を出すペイリン氏=AP
22日、米オハイオ州グリーンで、支持者に冗談を言って舌を出すペイリン氏=AP

 【ワシントン小松健一】米大統領選の共和党副大統領候補、ペイリン・アラスカ州知事が公務出張に子供を同伴し、費用を公費で支出させたり、自身の 衣装やヘアメークのために共和党に15万ドル(約1500万円)を負担させたことが22日、米メディアの報道で発覚した。財政支出のあり方が選挙戦の大き な争点になるなか、米CNNは一連の疑惑に絡めて「ペイリン氏がマケイン氏の足かせになっている」と指摘した。

 AP通信などによると、ペイリン氏は06年12月の知事就任後、3人の娘をニューヨークなどへの出張に何度も同伴し航空機代や宿泊費など計約2万1000ドル(約210万円)をアラスカ州の公費から支出した。

 ペイリン氏は8月末の共和党大会で副大統領候補に抜てきされる直前、アラスカ州に提出した出張報告書を修正し、子供も招待されたと書き加えたという。しかしペイリン氏を招いた複数の主催者側は米メディアに「子供は招待していなかった」と証言している。

 一方、衣装代は、共和党からニューヨークの高級店などに支払われたという。

 米世論調査機関「ピュー・リサーチセンター」の最新の調査でペイリン氏の「好感度」は9月中旬の54%から1カ月間で44%へと降下。一方で「好感が持てない」と回答する女性は54%と半数を超えた。


記者の目:雅子さまの行動、宮内庁に説明の責任=真鍋光之

 皇太子妃雅子さまは、大分県での第8回全国障害者スポーツ大会を欠席し、長女愛子さまの学習院初等科(東京都新宿区)の運動会を観戦した。皇太子ご夫妻のお世話をするトップ、宮内庁の野村一成・東宮大夫は二つの行事への出欠の背景に「病気」があると述べたが、プライベートより公務を重視してきた皇室にあって、雅子さまに対し「公務軽視」との批判が一部から出ている。

 今の雅子さまにとって遠出の公務は難しかったとは思うが、皇族の公私の問題を、病気を理由に簡単に済ませていいとは思わない。今回の雅子さまの行動について、宮内庁は詳細な説明をすべきだ。

 12日の学習院初等科の運動会。報道陣には愛子さまがかけっこをする場面が公開された。愛子さまに手を振り、カメラで撮影する雅子さま。母子のほ ほえましい光景だったが、皇太子さまはこの日、全国障害者スポーツ大会で大分県を訪問しており、精神障害者のバレーボール競技などを視察していた。本来な ら雅子さまも同行する公務だった。

 野村東宮大夫は3日の会見で、雅子さまが公務を休んで運動会を観戦することに対し「病気療養中」で「全体的な中身、総合的にいろいろ考えた結果。医師とも相談した」などと説明した。さらに「基本的には可能な中でのご活動ということ」と理解を求めた。

 だが私は、皇族の公私が絡むことを「病気だから」という理由であっさり終わらせようとする宮内庁の姿勢に納得できないでいる。

 皇室には、「私」より「公」を重視することを表した「天皇、皇族に私(わたくし)なし」という言葉があり、天皇、皇后両陛下はじめ皇族方は、公務を優先する姿勢を示している。

 公務とプライベートの兼ね合いについて天皇陛下は00年の誕生日会見で、「公務については、私も皇后も務めであればするのが当然だと思って過ごし てきました」と語った。翌年には「私どもは、やはり私人として過ごす時にも、自分たちの立場を完全に離れることはできません」「(公私の比重は)前者の方 に多く掛かっております」と公務優先の考えを述べた。

皇太子さまも04年の誕生日会見で「国民の幸福を一番誰よりも先に、自分たちのことよりも先に願って、国民の幸福を祈りながら仕事をするという、これが皇族の一番大切なことではないか」と話した。雅子さまは、療養前は皇太子さまと一緒に公務をすることが普通だった。

 野村東宮大夫は会見で「公務よりプライベート優先では」との問いかけに、「そういう見方もあるだろうが」と述べただけだった。天皇、皇后両陛下や 皇族方が積み上げてきた公務を重視するというあり方を、根本から覆すともとらえられかねない雅子さまの行動に対して、どう考えているのか。「公務軽視」の 批判がある中、丁寧に言葉を尽くすべきだろう。

 「病気」という理由についても説得力に欠けた。雅子さまは今年1月、冬季国体開会式で長野県を訪れて以来、泊まりがけの公務をしておらず、都内で の外出も少ない。このことからも2泊3日の大分での公務は無理だったのだろうと想像するが、野村東宮大夫の会見では、雅子さまが今、具体的にどのような状 態なのかまったくわからない。

 そもそも宮内庁は、雅子さまが全国障害者スポーツ大会を欠席し、愛子さまの運動会に出席することについて、「公」と「私」という観点でどこまで議 論したのだろうか。そして全国障害者スポーツ大会関係者に、雅子さまが欠席せざるを得ない現状、逆に運動会を観戦する理由を意を尽くして説明したのだろう か。

 野村東宮大夫の言葉を聞く限り疑問が残る。「総合的に考えた結果」などといういい方はあまりに大ざっぱで、雅子さまが出席することも想定しながら準備に汗を流してきた大会関係者、障害者、ボランティアらに失礼であろう。

 雅子さまが療養に入って丸5年がたとうとしている。雅子さまへの批判、疑問は年々、強まっているように感じるが、今回の件を見て改めて思うのは、その原因を作っているのは詳しい説明をしない宮内庁であるということだ。

 病気で苦しむ雅子さまの行動は時にわかりにくく、誤解を生みやすい。それを補足するのが宮内庁なのに、「ご病気」「体調に波がある」で終わらせる ことが多い。それは雅子さまを孤立させることにほかならない。雅子さまと皇室の将来を考えるならば、宮内庁はもっと説明に心を砕く責任がある。(東京社会 部)

2008年10月22日水曜日

志野原生氏http://www005.upp.so-net.ne.jp/shigas/WELCOME.HTMより

中世の城


成東町に城址公園がある。海岸側が崖の、空堀と土塁に囲まれた、さほど広くはない四角い平地が南北に二カ所繋がっている。空堀が二重になっているやや狭い北の方が本丸、他方が二の丸と推定されている。
千葉氏の勢力圏に入る前からあった豪族の城で、室町戦国時代の城郭遺構であると立て看板は説明していた。千葉氏は頼朝旗揚げ以来の名門であったが、小田原の北条氏と共に滅亡している。家康の頃は城として現役であったと思われるが、やがて忘れ去られる。
千葉地方史の書物をめくっても成東城の記事は全く出てこない。10年ほど前に出た、名は忘れたが高校教師の研究会が出版した、遺跡総記に も、近くの土気城址は記載されているのに、成東城址はない。はっきりした遺跡だから気付かぬはずはない。よほどローカルな存在だったのであろう。
同じ中世の城でも、兵庫県の生駒銀山の北にある竹田城は、誠に壮大な石垣の山城であった。山の尾根に沿って何段にも石積みされた区画が並 び、最高部に天守閣がある。建造物は一切残っていないが、山名一族の覇権に対する意欲を窺わせる偉容を備えていた。中腹の駐車場までの道が細く険しくて運 転にふうふう云い、駐車場からの登山道も生憎湿っていて楽ではなかった。近世の名城の手本である。
関東は江戸城、小田原城を除くと石垣に乏しい土塁による城ばかりである。それと明治維新の時に全域が賊軍になったのが祟ったためか、破壊 が激しかった。ことに平地の川越城、忍城、関宿城、古河城などは、わずかに土塁のごく一部を残すのみと云った遺跡である。敗者を人々の記憶から抹殺すべ く、遺物を破壊するのは勝者の常だが、関東型土塁式城址の完全な奴を一つでいいから残して欲しかった。成東城などが発達した終局の姿であろうから。佐倉城 がやや面影を残す程度で、残念なことである。
成東町は九十九里浜に面した小さな外房の町である。しかし開発の手はこの町にも及んでいる。今は住宅街になったお城近くに、昔は砦や空堀 などの付属的な遺跡が残っていたという。本丸二の丸も開発軍に落城する寸前に、市が公園化したのであろう。崖側はギリギリまで削られ土が露出していた。城 址公園からは古い成東町の全景が眺望できる。旧市街はコンクリートの建物も屋根を傾斜させ、周囲との調和に気を使っている。一度訪れて良い場所である。

('98/01/21)


朝日新聞社説

減税財源―埋蔵金でも国債でも同じ

 たとえば、5千万円の借金を抱える家庭の引き出しから、100万円の預金通帳が思いがけず出てきた。

 借金返済に使えば、残高が減って将来の返済が少しは楽になる。それが望ましいが、諸物価が上がり、切りつめ生活も苦しくなった。この際、返済をさぼって生活費に回そうか……。

 2兆円規模の定額減税の財源に、いわゆる「埋蔵金」を使う。政府・与党が打ち出す景気対策の問題点は、家計に置き換えると分かりやすい。

 通帳にあたるのが「財政投融資特別会計」の金利変動準備金。政府系機関や独立行政法人に資金を貸し付ける特会だ。特会が調達する金利を、融資した金利が下回る「逆ザヤ」になった時の損失に備え、積み立ててきた。

 各種の特別会計にある準備金や積立金が、埋蔵金と呼ばれている。

 準備金が余ったら、毎年の予算には使わず国債の返済にあてる、と基本的に法律で定められている。家計の例から考えれば当然のことだ。

 それを減税などの財源に使う。国債には頼らないので、財政の健全性は保てる。与党はそう言いたいようだ。民主党も埋蔵金を活用する考えだ。

 だが、埋蔵金の流用も、国債の追加発行も、負担を将来へ先送りする点ではまったく変わらない。準備金を減税に流用しても、あるいは流用せず国債返済に使って減税のため国債を発行しても、国債残高は同じだからだ。

 たしかに、米国発の金融危機は深刻だ。景気は厳しさを増すだろう。いまから対策が必要だ。とはいえ、景気の悪化がどこまで進むか予断を許さない現段階で、薄く広く減税するのは愚策と言わざるを得ない。

 景気悪化で税収が大幅に落ちてきた。来年度は基礎年金への国庫負担を増やさねばならない。財政はさらに苦しくなる。財源は最適のタイミングで効果的に使わないといけない。

 また与党には建設国債ならいいとの考えがあるが、赤字国債と同じ借金であり、区別する意味はない。借金が多いだけ返済が増え、福祉や教育など必要な分野への支出が圧迫される。

 国民もその現実が分かっている。朝日新聞が今月実施した世論調査でも、「景気対策のため赤字国債を発行して大型の補正予算を編成すべきだ」という意見に 「反対」が56%。「賛成」24%の2倍以上だ。借金頼みのバラマキ財政のツケは、いずれ自らに跳ね返ってくると見抜いているのだ。

 先進国でいちばん悪化した財政のもとで景気対策をやり、社会保障も将来的に立て直していく。日本はこの険しく細い道を歩まざるをえない。

 「日本経済は全治3年」。総選挙を控えて、麻生首相は得意の言い方を使いながら、財源問題を避けて通ろうとしているように見える。


毎日新聞


社説

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社説:高齢者虐待 殺伐たる光景をなくそう

 高齢者虐待が増えている。厚生労働省の調査で、07年度は1万3335件にも上り、前年より712件増加したことが分かった。「これは氷山の一 角」という指摘もある。今後、高齢化が進めば虐待も増える可能性が高い。社会保障費の抑制策が続き、世の中がぎくしゃくしてきたことが虐待を生む土壌と なっている現実にも目を向けたい。

 虐待の実態をみると、今の日本社会が抱えているさまざまな問題の縮図が浮かび上がってくる。核家族化や近所付き合いの希薄化、家の中に人を入れた くないという風潮、隣人が何をしているのか知らないような人間関係、さらには貧困の問題など、複雑な要因が虐待の背景にある。先進国の中で最も速いスピー ドで高齢化が進み、急増する高齢者を見守る仕組み作りが間に合わなかったという現実もある。

 虐待の実態をみてみたい。大半は家庭内で起きている。被害者の約8割が女性、年齢は80歳代が4割を占めている。虐待しているのは息子が一番多く 41%、次いで夫が16%、娘が15%だった。虐待が起きている件数を世帯構成別にみると「未婚の子と同一世帯」が35%で最も多かった。

 虐待の種別・類型では、殴るなどの身体的虐待が64%で最も多く、暴言や無視などの心理的な虐待、介護の放棄や、経済的な虐待が上位を占めた。虐 待による死亡事例は27件あった。うち殺人が13件、介護放棄による死亡7件、心中4件、介護放棄以外の虐待による死亡が3件だった。

 06年に高齢者虐待防止法が施行された後、ほとんどの市町村の体制整備が進み、相談対応の窓口が設置された。しかし、窓口を作っただけで虐待を防 ぐことはできない。厚労省は「地域における虐待に対応する関係機関の調整の取り組みが低調」と指摘しているが、それが現実なのだろう。

 虐待は個別のケースによって理由が違う。そこで根絶するには、国と各地域の総合力が問われる。自治体に加え介護施設関係者や民生委員、医療機関や 警察、弁護士、さらには市民団体などがネットワークを作り個々のケースに応じて連携を密にして対応することが大事だ。虐待を回避するための一時的な避難所 として介護施設などに空き室を常に用意しておくなど、支援体制の整備も必要だ。

 相談・通報するのは介護支援専門員が圧倒的に多いので、この人たちを増やして高齢者のいる家庭を見守ることも有効な防止手段となるだろう。

 こうした対応策には費用がかかる。虐待防止の対策は、ますます重要度が高まってくる。国民的合意を作って必要な予算をつけて実行してほしい。

 気がつくと、目の前には殺伐とした光景が広がっている。「高齢者虐待がない社会」を目ざしたい。

「老コンサルの残日録」http://ameblo.jp/tkjsk0231hzannitiroku/より

浜の真砂は尽きるとも


『…浜の真砂(マサゴ)は尽きるとも世に盗人(悪役人…老コンサル注記)の種は尽きまじ…』、大盗賊の石川五右衛門が捕まって釜茹での刑にかけられる時の辞世の歌、と言われますが多分ウソでしょう。だけど真理です、悪役人の種は尽きません。


社会保険庁の悪行は、底なしの泥沼です。保険加入者から預かったおカネ、特に年金保険料は利をつけて将来は返さなければならないおカネ、という気持がマッタク無いんですね。<預かったおカネ>じゃあなくて、自分達の自由になる<もらったおカネ>なんでしょうか。


記録の杜撰さ・原票管理の杜撰さ・怠慢…ここへ来て、自らの立場を守るための記録の改竄、源泉徴収義務のある事業者とのヤリトリ…開いた口が塞がりません。


標準報酬月額の改竄、保険加入者が正規の等級に従い保険料を納めたのに、何段階か下の等級の保険料を納めたことに改 竄される、つまり納付した厚生年金保険料に見合う厚生年金の受給がない、んですね。社会保険庁で調べたら、そういうケースは1件だけ、やがて24件に、升 添大臣がサンプル調査したら69,000件くらい、実は20万件以上とも。ウソはドロボーの始まり、親に教わりましたっけ。


保険料を納めない事業所は潰れたことに?…潰れたら全喪届で社会保険に入れません、会社は潰れてなくても潰れたこと にすれば保険料を納付しなくてもいい、社会保険庁の収納率は上る、OK!?ところが全喪届を出すと健康保険にも入れなくなる、保険加入者が病院へ行って、 それがバレタら困る、そこでイロンナ悪知恵を働かせる、犯罪です。


12道県で裏金が見付かりました、税金が予算にない使われ方をした、問題だ!という知事と使われ方が違っただけ!と いう知事がいます。不正流用はありません!とも。社会保険庁の内部自己調査みたいなモノで信用できませんよね。あるTV局が、その他の都府県に聞き取り調 査した結果、ほとんど問題なし、信用できません。内部調査ですもの。


予算については不十分ながら審議しますが、その使われ方、決算について、バッジの先生方は国民からの付託に応えてい るとは思えません。そんなことしたら官僚・官吏(公務員・役人)に嫌われるから、でしょうか。それを役目と思っていないんでしょうか。怒り!!!税金ドロ ボー!!!

身勝手で悪心強き金融機関をナゼ?


米国(を牛耳るユダヤ資本?)が主体の金融錬金術が破綻して、先進国・新興国・途上国を問わず、国の経済規模の大小 を問わず、世界中の国・企業・国民が困惑の極みにあります。金融力・経済力が弱い小さい国の中には、IMFに国の生存を委ねざるを得ないところもある、と か…。


EUでは、<暴力的な金融パワーにはある程度の制限を…>という議論が出ていますが、米国・ブッシュ大統領は、<飽くまでも自由主義経済を守る>意向です。米国の金融資本が進めてきた<倫理感なき自由主義経済・市場至上主義>の結果が、世界中を苦しめているのに、です。


金融機関が持っている株式の評価を<時価評価でなく取得時評価に変える>という議論が出始めました。日本でも、グ ローバルスタンダード(世界標準)という事から2002年でしたか、採用しています。ずいぶん虫のイイ話ですね。株価が高い時は≪時価評価≫、今回のよう な株価が暴落した時は≪取得時評価≫。


<企業の価値は株価の総額>、それを元手に資金調達し世界中の事業を買いまくる、完全な金融資本主義、オカシな考え 方だと思います。手段を選ばずに自社の株価を上げ、それが極めて短期間であろうと、会社の将来はどうなろうと、『オレは会社の価値をこれだけ高めたんだ、 相応の報酬を』、リーマンのCEOの報酬は3年か4年で360億円だったそうな。


国会で補正予算案が通りましたが、景気を良くするためには何の役にも立ちません。景気が良くなるなら≪中小企業が融資を受けやすくする対策=これが中心です≫なんて要りませんよね、景気が良くならないだろうから融資対策、なんです。後ろ向きの政治、そのものです。


かつて日本の金融機関は不良債権にあえぎ、オカシな話ですが金融機関が資金繰りに苦しみ、倒産・合併・吸収が多発しました。その過程で、事業会社への<貸し渋り><貸剥がし>が横行し多くの事業会社が倒産しました。


日本政府は、予防的に金融力の弱い金融機関に資本投入する、という構えのようです。が、産業界でいちばん身勝手で悪 心が強い金融業界、不況に苦しむ事業会社を再び苦しめるでしょう。また、資本の応援を受けた金融機関の経営責任は問わないことになるそうです、これもオカ シい。融資制度の前に景気を良くする事が必要なんです、政府の考えは逆ですよね。


あるウエブページより

2007/09/28

衛星映画劇場「ガラスの中の少女」1960

 吉永小百合の初主演作だってぇ、全く違う感じの小百合ですねぇ
初々しくていいですねぇ、この小百合は好きですねぇ

ガンバリ屋、明るいイメージの小百合とは違ってねぇ

原作は有馬頼義なんですねぇ、ガラスのように繊細な感じの少女を描いたんですねぇ
若杉光夫が監督したんですなーあ
共演は浜田光夫ですがな~あ、これがコンビの最初の作品でっかーあ。

中学を出て就職した青年と女高生の心中ですか~あ
でも、きれいですねぇ、この頃のはな~あ。
「純潔」を守って嫁に行くか~あ、不思議な世界の出来事みたいですねぇ
それを、信欣三の大学教授のパパが理想としているとねぇ・・
でも、本人は子連れの教え子の妻と一緒になったかーあ、戦後のどさくさとはいえなーあ

2008年10月21日火曜日

毎日新聞HPより

社説:万引き 微罪で片付けられなくなった

 軽微な犯罪と思われがちな万引きの様相が変化している。かつては少年による犯行の比率が過半数を占めるため少年型犯罪といわれたが、約10年前から低減。昨年は約10万2500人の検挙者の約28%に落ち、成人型犯罪に変質した。また、91年以降、65歳以上の高齢者の犯行が急増し、昨年の高齢者10万人当たりの犯罪率は97人を突破、この20年で約3倍に増えた計算だ。

 高齢者には、子や孫に注目してほしいという幼稚な動機から犯行に及ぶ者も目立つが、警察庁などの分析では、家計の実収入との相関が指摘されてい る。消費税が5%に引き上げられた97年に検挙者数が前年比で約17%も増えたほか、00年の介護保険制度のスタート、03年からの医療費の負担増も犯罪 率の上昇につながっている模様だ。

 万引きする品物も食品やせっけん、タオルなどの生活用品が多く、生活が苦しくなって犯行に走る高齢者が増えているらしい。経済情勢が混迷する折、犯行の未然防止に福祉の観点からのきめ細かなケアが求められていると言えそうだ。

 一方、比率は減ったというものの、少年による犯行では組織化、巧妙化が進んでいる。警備員を引きつけるおとり役、見張り役、盗品を受け取る運び役 などの役割を分担し、巧妙な犯行を繰り返す少年グループの摘発も相次ぐ。漫画本を一度に10冊、20冊とまとめて万引きし、古書店などに売却を図る少年も 少なくない。出来心どころか、金目当ての計画的な犯行が横行している。被害も甚大になり、届け出も増加しているのが実情だ。

 規範意識や罪悪感の低下にも深刻なものがある。NPO法人の全国万引犯罪防止機構が一昨年、全国の小中高校生を対象に実施した意識調査では、万引 きを「絶対にやってはいけないこと」と考えている児童・生徒は小学校では95%を超すが、高学年になるに従って低減。中学生は約83%、高校生では約 81%となり、高校生の約16%は「やってはいけないが、大きな問題ではない」と回答した。高校生の約14%には友人から万引きの誘いを受けた経験がある という。

 万引きを軽視する保護者も少なくなく、警察から連絡を受けた母親が盗品を買い取れば盗みにならないと主張したり、補導は行き過ぎだと警察官に食ってかかるケースも増えている。

 06年の刑法改正で窃盗罪に懲役刑に加えて罰金刑が導入され、従来は起訴猶予処分となることが多かった万引きを処罰し、再犯防止を図ることにした が、何よりも幼少時からのしつけと教育でモラルを確立させることが重要だ。万引きは万罪のもと。犯行を見とがめられた容疑者が殺傷事件を起こしたり、逃走 中に交通事故にあったりもしている。厳正に対処し、撲滅を期したい。

毎日新聞 2008年10月20日 東京朝刊

志野原生氏http://www005.upp.so-net.ne.jp/shigas/WELCOME.HTMより

新吉原を行く


隅田川に懸かる歩道橋桜橋を渡ったところから少し南が山谷堀の起点である。堀は埋め立てられて細長い記念公園になっている。吉原へは、山 谷堀を吉原大門まで遡る方法が一番のお大尽遊びであったと公園の由緒説明文に書かれていた。捕物帖「御宿かわせみ」では陸路や隅田川だけを猪牙舟にする ルートが主に使われいる。お江戸探訪の一つとしてこのルートを辿ることにした。
川幅は意外と狭い。埋めたて前の欄干が残っていて、銘板には昭和4年改修と書かれていた。その端から端までが3間無い。行き帰りの猪牙2 艘がやっとすれ違う程度の幅である。北側の土手には桜が植えられているから春は美しいであろう。南側はもうビルが占領している。公園とビルの1間もない空 間に不釣り合いな柳の大木が1本窮屈そうであった。
堀割に沿った社寺で目立ったのは待乳山聖天であった。隅田川近くの小高い丘の上だからさぞかし昔は見晴らしが良かったであろう。今は山肌 を削ってビルが接近して建てられ、公園やらお寺やらビルやら駐車場やら自然を残すのは損だとばかりに、人工物が取り囲んでいる。これまでの東京見物でだい たいは想像していたが、今改めて高い費用をかけての公園造りなら、何故あのままの歴史的風景で残さなかったのかと思う。
吉原大門から真っ直ぐ吉原神社に向かう。浅草七福神の一つらしく幟があちこちに置いてある。正月のお参り案内だったのであろう。ここは歓 楽街である。まだ昼なのに客引きの姿があちこちに目立つ。往復で10人は数えた。電光掲示板風の看板があって、30分3000円と読めた。目が合うと声を かけてくる。
町並みは汚らしい。戦争で焼ける前は三階楼が軒を並べ、遊郭らしい景観があった。戦前を知っているわけではないが、木村荘八の絵図が示し ている。戦後の人々は、どこもそうだが、町並みに美観を保とうとはしなくなった。公共の建物だけやけに立派でもねぇ。角海老の看板が目に入る。角海老は記 憶にある。樋口一葉「たけくらべ」に出てくる妓楼の屋号である。昔大門正面の通りの大店であった。
公園で目に付くのは浮浪者である。先週の雪がまだ消えていないし、寒空であるが、服装は結構しっかりしていて防寒に困っている風ではな い。布団があちこちに乾かしてある。日焼けに無精ひげ、垢じみた顔手足など決して側にいて心地よいものではない。殆どが老人だが、壮年者もいる。往路で出 会った人は帰路でも同じ位置で所在なさそうに座っている。携帯ラジオを聞いている人も何人かいた。隅田川河畔には防水布を屋根にした箱形の小屋が何軒もで きている。
浮浪者が増えて行く。浮浪についての罪悪感が薄れ、人道援助が手厚くなって「やる気のない」浮浪を助長する。行き過ぎるとデモンを呼び込む予感がする。

('98/01/17)

「老コンサルの残日録」http://ameblo.jp/tkjsk0231hzannitiroku/より

権力+金力=悪政


昨日の<=438=最低レベルの選挙前哨戦>の最後に、いつでしたか民主党の小沢さんが『…国会議員の定員を削減する…』と語ったが、その後どうしたんでしょうね、と書きました。


丁度その頃でしたか、民主党は党紀として≪国会議員の世襲を制限する≫ことを検討中、という記事を読んだことがあります。研究して、むしろ法案提出すればいいのに…。


衆院解散総選挙の時期が不透明になっています、自民党は戦況不利とばかり引き延し作戦?民主党の兵糧が尽き厭戦ムードが起きるまで持久戦?民主党は解散に追い込むとは言いながら戦略不足?解散時期の見込み違い?でしょうか。


ある学識経験者が『世襲議員の制限は職業選択の自由、という点で如何なものか』というコメントを出していましたが、 それこそ≪このコメントは如何なものか≫と思います。公務員にスト権が認められていないように、税金で口を糊する立場の人には、当然のこと然るべき制限が あるのは当然です。


<一握りの権力と金力を併せ持った人達>が牛耳る社会・国家は良い筈がありません。江戸時代、武士は権力はあるけれ ど貧しい、商人はお金はあるけれど権力がない。徳川幕府、権力のある譜代大名は小禄、外様の大禄の大大名には権力をやらない。だから、徳川幕府は260年 ももったんです。


小泉郵政選挙の前、自民党の世襲議員は52%でした。ここ数代の総理大臣は総て世襲議員です。権力+金力=悪政。前 に何度も書きました、民主党が大勝するには、国民が大賛成し自民党が絶対に飲めない政策、つまり議員定員の削減・世襲議員の制限・公務員改革、を争点にす ること、です。これなら時期を選ばないでしょう。


『反貧困ネットワーク』が主催して『反貧困 世直しイッキ大集会』が開かれ2,000人が集まったとか。数代続いた世襲総理大臣のもと、非正規労働者が1,732万人、年収200万円以下の給与所得者が1,000万人越え、貧困・医療・介護に困り抜いている高齢者群…。


彼等は、各政党に対しこれらのことを選挙の争点にさせるべく運動するとのことです。これから来る大不況、≪経済弱者は自助努力をしなかった人≫で済まされるでしょうか???



私の感想

政治家役人に100%責任があるわけではないし、無理に咎めてもしかたがないが、なんだか「自分達は安泰で、対岸の火事」と感じているらしいのが、つよく感じる。でなかったら、天下りを2、3遍して一億円だか定年後に稼ぐのは、遠慮するはず。一部の高級官僚の話ではあっても腹が立ちます。建築コンサルタントをしてみえると、薄給の人の気持ちが判って、義憤が湧くのでしょう。

≪経済弱者は自助努力をしなかった人≫と言う論法ですが、すり替えがあると思います。年収が平均以下の人は、自助努力をしなかった人もいるし、努力しても的外れの場合もありましょう。もっとも、自分の事を言っている場合「謙遜」です。東海銀行から知多信金に請われて、銀行公認の出向?した人が「百姓は浅はか」と言ったので農家に生まれた私はむっとした。しかしその人も、農家に生まれた人。多分東海銀行でうまく立ち回れなく、貧乏くじをひき、知多信金でも、現職理事長で急死されました。

エリートで、たいして努力せずに,高収入の人は、大真面目に考えているのですが「どこかピントがづれています」。淡島千景、越路吹雪等芸能人ならいいのですが、石原慎太郎知事あたりは、東京都民の民度を疑います。

2008年10月20日月曜日

じいちゃんの独り言http://okamoto1।at.webry.info/

栄枯盛衰世の倣い




秋も段々深まって参りましたが、朝夕の冷え込みは風邪を誘発し兼ねず、おまけに今年は予防注射の効かない新型インフルエンザの登場とか、(;;)自然破壊 による地球環境の悪化に伴って自然現象ばかりでなくあらゆる物が石油製品の残滓に冒されて行くように思えて成りません。世界経済の破綻も元はと謂えば、原 油価格の人為的な操作により脆弱となった企業が企業基盤を再構築すべく債券市場へ虎の子の財産を注ぎ込んだ処でアメリカのバブルが弾けてサブプライム事件 の登場となりましたから、どんなに大きな企業も一溜まりもありませんね。いいえ大きな企業ほど余裕資金を持っていましたから影響が大きいと思います。
日経平均は1万円台を割って8000円台と低迷し、1ドルも100円前後でうろうろ、其れも強い円なら兎も角弱いドルのせいとあれば日本も周章狼狽の体で ありますが、選挙も近いとあって政府は消費者の保護とか小手先の小細工でお茶を濁し、実体経済の根源から目を背けて何もできずに立ち竦むばかりとは情けな くてなりません。自民党も党の行く末などより国の存亡が遙かに大切なことが分からんのか!
禿鷹軍団の一つであったモルガンスタンレーに9000億円出して救済すると侠気を見せた三菱UFJFGでしたが、此処に来て25ドルで取得予定のモルガン の株価が10ドルを割ってきたため慌てて普通株の取得予定を変更し、全額優先株に切り替え先週9000億円を振り込みましたが、幾ら優先株が配当金優先と は謂え、10ドルを割った会社に配当する元気があるとは思えませんし、第一優先株になると議決権が行使できないため役員一人送り込めず経営方針に介入でき ないため到底傘下に治めるどころではなく、或る意味社債権者のようなものであって社債権者なら決まった利息が得られますから未だマシであり、優先株取得は 日本政府が金融機関救済のため大手銀行に対して自己資本比率を高めるために採った手法と少しも変わらず、それならアメリカ政府が採らねばならぬことを三菱 UFJが代行したことになり、人助け(国助け?)も良いとこです。若し株価が回復しないと三菱UFJは致命的な含み損失を受けることになるでしょうから株 主から高値掴みの責を問われて株主代表訴訟を起こされることになるでしょう。それはそれで三菱UFJ経営陣の自業自得ですが、此まで我が国がモルガンスタ ンレーから毟り取られた多額な不動産や株式の差益に加えて今回の救援策ですから、三菱UFJは世間から“盗人に追銭”と謂われても致し方がないでしょう が、三菱UFJはきっと経営権を握って彼等から法に触れないボロ儲けの方法を教わりたかったのでしょうね。若しそうだとしたら泉下の岩崎弥太郎氏が嘆いて いられると思いますが、彼とて維新政府が通貨発行に際してインサイダー取引の魁(さきがけ)として巨利を得て日本郵船を創設した人物ですから因果は巡るで あったと言えるのでしょうか。

神戸市も遂に来月から分別ゴミ有料化となるを受けて、先日事務所のあちこちを整理していたら、噴霧口が壊れたダニ退治の畳フマキラーが出てきました。何時 購入したものか記憶になく容器の中は未だ液体が沢山詰まっているようで金属製のゴミにすると爆発の危険があるとか…(;;)処置に困って容器に記載された お客様相談室に電話してみました。すると先方の係の方はとても丁寧な応対で“その商品は10年前に製造中止となっておりますので代りの商品をお送りさせて 頂きます。当方からお送りする封筒で畳フマキラーをご返送下されば結構です。送料は此方で負担します”と言われ、恐縮してしまいましたが、電話を終わって たったの15時間の翌朝商品が届けられお詫びの手紙まで入っていました。ゴミに出せない代物なので畳フマキラーさえ受け取って頂けるなら送料此方負担のつ もりで電話したのに、代りの商品の蟻フマキラーとオマケとして下駄箱の脱臭剤まで頂戴してしまったので、幾らお客様は神様ですと謂っても、其れは表向きの 飾り言葉に過ぎず実際には消費者の権利の乱用である横暴を苦々しく思っているメーカーが多い中を10年も前の商品を引き取ってくれておまけに代りの商品ま で頂戴できるとは日本には立派な会社もあるものだと感激と同時に愕いてしまいました。
此の会社は電池式の蚊取器の売れ行きが好調で殺虫剤業界では第三位に君臨していますが、最近では最大のライバルである業界トップのアース製薬が毒牙を伸ば し、持ち株を買い増し今ではフマキラーの筆頭株主となって自社の傘下に入れようと画策していますが、フマキラーは徹底抗戦の構えです。フマキラーさんどう か負けないで頑張って下さい。私も微力ながら少しですが株を買って応援するつもりです。“TOBが掛かっても売りませんから安心して下さい”と言いたい処 ですが僅か1000株買った処で援軍にも何にもなりませんね。こう言うのを称して“田作(ごまめ)の歯軋り”というのでしょう(;;)フマキラーさんご免 なさい<(_ _)>

画像
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フマキラーの商品に同封されていた手紙の封書も便箋もB5判でしたから、役所の書類を初め殆どの書類が欧米に倣ってA4サイズにされている今懐かしい郷愁 に浸りました。何せ10年前に購入したうちのFAXは既にB5サイズの設定が失われていますから、此の会社余程物持ちの良い会社か或いは“故きを温ねて新 しきを知る”今時珍しい反骨の精神の持ち主である会社なんだと納得しました。(^^)

小さい街で起こった大きな出来事をお知らせしましょう。神戸市の端にある垂水の駅前に40年以上も古くからあるパチンコ屋さんがゲーセンなどを経て、今夏 店を潰して雑居ビルにでもなるらしき大きな建物の建設着工となり工事は順調に進んで居りました。廃業の原因は其れまで立地条件の悪かった後発のパチンコ屋 がどんな伝(つて)を辿ったのか、或いは市の条例で定められた垂水小学校からの距離が幸いしたのか、阪神大震災前の駅前再開発に乗じて上手く一等地である レバンテ1階の表正面を獲得したせいで立場が逆転し客が取られたためだと思われます。先発の廃業で現在では駅の北側は後発の店1軒だけとなりましたから日 曜日など10時開店の一時間前から客の行列ができる盛況振りでパチンコ業界衰頽の噂など何処吹く風の有様です。廃業したパチンコ屋さんの先代A社長(華僑 の方)とは大昔2-3度お得意先の方の紹介でゴルフに行ったことがあり、10数年前に亡くなられました、自宅は店から徒歩数分の八幡神社の西隣の豪邸に住 まっていられましたが、最近売却され今年分譲マンションとなってしまいました。二代目のAさんは顔も存じ上げませんが、私の家の坂の上に100坪の邸宅を 構えられたのは30年ほど前のことですが、入口の大きなガレージには豪奢にもベンツにBMWと当時は高値の花(今でも?)高級車が2台並んで居て、パチン コ屋さんは良く儲かるんだなと感心すると共に、何時もジャンバー姿に自転車で店に来られていた質素なお父さんのAさんと対照し“親辛抱、子楽、孫貧乏”の 俗諺を思ったことを今も良く憶えて居ります。
二代目のAさんが此の世界から撤退されたのは競争相手のためばかりではなく、パチンコ業界の趨勢を先読みされての転身であったのでしょうが、不幸の赤い糸 (黒い糸か?)など何時何処から飛んでくるか分からず、大事を取って設計施工を依頼した中堅ゼネコン新井組(東証1部上場)がこともあろうに施主の一人で ある創建ホームズのマンションを建築中に同社が8月倒産し、代金5億5千万円が焦げ付いたために資金繰りに行く詰まり、新井組まで共倒れ倒産となって民事 再生法申請となったものですが、全幅の信頼を置いた東証1部上場のゼネコンに建築半ばで工事がストップされ放置されては二代目とすれば将に青天の霹靂で あったでしょう。(;;)

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建築中途の建物は新井組のものだし、着工時に支払った数千万円?の建築代金は一般債権となってAさんには先ず1%も返って来ずこの先一体どうなることで しょうか。素人考えでは建築中途の建物をAさんが管財人から買取り、他の工務店に工事費を払って続きの工事をして貰うことにでもせぬことにはどうにもなら ぬと思いますが、他人の工事の続きなんて5割増し位貰わないと誰だって厭がることでしょう(;;)
それにしても年商700億円の大会社が僅か5億5千万円のお金をメインバンクである三井住友銀行から調達できないなど、きっと新井組は創建ホームズの倒産を理由に虎視眈々と頃合いも見計らっていた三井住友に見捨てられての倒産であったに違いありません。
新井組はバブル最盛期に銀行に上手く乗せられて北摂道場付近でゴルフ場を建設しようとして600億円の赤字を出して当時の株価が16円まで下落したことが ありましたが、未だその古傷が癒えて居なかったものと思われます。現在新井組は監理ポストで株価は一株僅か2円となりましたから再建は絶望であり倒産は事 実上確定的ですが、一番悪い奴はきっと薄情な銀行でしょうね。
Aさんも二代目ですから苦労が足りなかったのか、その辺りの事情に疎いお坊ちゃんだったのでしょう。(;;)栄枯盛衰世の倣いとは謂えお父さんは泉下でどんな思いをされて居るでしょうか。(;;)


「老コンサルの残日録」http://ameblo।jp/tkjsk0231hzannitiroku/より

ダイヤモンド社・倒産危険度ランキングの?


小BLOG:10月02日=422=またまたダイヤモンド社の倒産危険度ランキング:に、このランキングおかしいなあ、と書きました。≪数値に常識を加味しないと…≫とも。


株価が極めて安いレベルの建設業者の多くが、9電力より倒産危険度が低いことになっていたり、業界常識あるいは投資家常識で見ても優劣が逆ランクだったり…こういう情報に無頓着な建築主が被害を蒙らなければいいですけど、なんて。


将来の事は解りませんが、9電力がホンの数年の内にオカシクなる、なんて常識では考えられないですよね、それよりも倒産危険度が低い、とランクされた新井組がこのあいだ破綻しました。同ランキングで、624社のうち335位でした。


ちなみに、9電力の中で最も倒産危険度が高いのは東京電力の123位、どういう思考回路でこういう数字が出るんでしょう、いちばん低いのが四国電力の333位です、新井組よりアブナイ事になっています。


新井組は、もともと財務状態が脆弱で2002年08月でしたか640億円の債務免除を受けて生き延びてきた会社です。1997年、飛島建設が6,400億円の債務免除を受けたのが始まりで、いらい多くの大手建設業が倒産・事業分割・債務免除の道を辿ってきました。


倒産した会社は、とうぜん建設業界から退場しましたが、それらを引き取った会社、劣化した不動産など不良資産を別会 社に移して施工専門会社として生き延びてきた会社、借金を棒引きしてもらって生き延びてきた会社、その後の様子を見ているとチャンと公共工事を受注したり して、おかしいなあ、と思います。


つい先だって、群馬県高崎市の井上工業が破綻しました。東証2部上場、120年超の歴史を誇る地場の名門企業でし た。私が子供の頃(65年前)、よく母親に連れて行ってもらった高崎の白衣の観音様は、同社からの寄付、同社の施工(当時としては素晴らしい施工技術だっ たでしょう)、だったとか聞いたことがあります。若い頃の田中角栄さんが新潟から出てきて修行した会社だ、とも。


これからが本格的な建設不況。ダイヤモンド社のランキング、信用できるかなあ。

志野原生氏http://www005.upp.so-net.ne.jp/shigas/WELCOME.HTMより


マリー・ローランサン


この画家のリトグラフには不思議な美しさがある。百貨店の美術コーナーによく出ている。しかし彼女の油彩水彩画を見るのは久しぶりだった。佐久甲州街道から麦草峠を越え、蓼科湖湖畔のマリー・ローランサン美術館に立ち寄って以来、もう10年以上経過している。
彼女は、ヨーロッパにあって歴史の大波に揺り動かされながら、画風を完成した才媛である。時代と共に画風も変わって行くが、初めから幾分 抽象的で淡い中間色的彩色が勝った絵であった。肖像画を描かせるとさすがにその人の個性を映し出すが、そうでないテーマを持った絵の中の人物は没個性的で ある。それらしき顔をしていない。また背景がきわめて簡素化されていてモチーフと縁のない造作は一切かけない主義のようである。
この描写の技法は日本画に似ているなぁと思った。日本画と云っても現代のそれではない。現代のはますます洋画に似てきて、画布一杯を塗り たくっているという印象だ。まだ屏風絵、掛け軸の伝統が消えず、しかも画題に人物が主役を占めることの多くなった明治以降から昭和中期頃までの全盛期の日 本画である。日本画の線の多用、陰影の制限など細かい点でははローランサンとは違うが、没個性的な人物像、簡単な背景などは類似性を感じさせる。
構想が表に飛び出しているような絵でもない。歴史画のような大舞台があるわけでもないし、宗教画のような信仰対象があるわけでもない。ど こにでもあるような環境にどこでも見かけるような人物-女-が描かれている。強烈な印象はだから個々の絵からは得られない。しかし展覧会全体から、何かし ら一度忘れた頃にまた思い出す画家と云えるのである。
展覧会場の売場で印刷品を眺めると、この淡い中間色の絵が美術印刷に優れて向いていることに気付く。かえってこちらの方が、ローランサンの作品をより際立てているようにまで思った。

('98/01/17)

http://pub.ne.jp/shimura/?cat_id=84552&page=2志村建世氏のブログより

70代からの情報革命(4)

NECのワープロ「文豪」による台本のフォーマットは、B5縦に横書きで一行に40字、行数は20行(後に22行)にしたから、ちょうど手書き原稿 2枚分が1ページにおさまった。左から10字のところで縦線を入れ、左側は画面の説明、右側の30字にナレーションを入れた。一行を読む長さが、ほぼ6秒 になる。スライドの場合は、一画面に対して6~8秒の文章を二つ、字数にして7~80字程度の解説を書くと、ナレーターが読みやすく、作品として見る場合 にも座りがよかった。言いたいことを一定の長さの中で表現するという私の文章スタイルは、この習慣から作られたのだと思う。
 とにかくワープロを使うようになってからは、私はキーボードと画面の前で長い時間を過ごすようになった。目の前に並んだ自分の文章を、気が済むまで手直しして、納得できるまで作り変え、しかも直したあとが汚くならずに、完成形として出来上がってくるのを見られるのだから、これは理想的な作文の方法に違いなかった。おかげで文章書きが楽しくなったと言ってもいいくらいだった。
 台本はB4の用紙を使って、左右に2ページ印刷するのを基本にした。長い作品でも、二つ折りして本のようになる。無駄のないスタイルだと思って長くこだ わってきたのだが、だんだんA4判が主流になる世の中の傾向に合わせて、ここ数年でA4に移行した。ただし今でも一行は30字にしている。
 このようにワープロは、私にとって、完全に使いこなしたと思える機械になった。しかしその成功体験は、パソコンを覚えるときには、意外にも障害になった ような気がする。私の会社も、娘が参加するようになった時期から、バソコンの導入が始まった。娘はコンピューターの専門家だから、新しく始めた幼児教育用 ビデオの画面作りにも、会社の計数管理にも、どんどんパソコンを使い始めた。当然、私も無関心ではいられなかったのだが、聞けばパソコンには、一冊読めば 全部わかるというようなマニュアルは、ないのだという。「やっているうちに、だんだん覚える」のがいいとしか言わない。そして自由に使ってもいいという ノート型パソコンを1台与えてくれた。
 マニュアルなしで、いきなりパソコンに立ち向かうというのは、いくらなんでも無謀だった。パスワードを教えられて開いてみても、自分が何をしたいのかが わからないから、手のつけようがない。「ヘルプ」などをクリックすると、余計にわからないことが出てくるばかりだった。一日に30分はやってみるという日 課にしたのだが、これは後から考えると全くの無駄だった。キーボードのキーを順番に全部押してみて、どこかで正解に当る筈だ、というようなことをやってい たのだ。
 ワープロまでは「機械」だったが、パソコンは機械ではなくて、「一つの世界への入り口」だと、今の私は思っている。パソコンを機械として理解しようとし たのは、根本的に間違っていたのだ。何をしたいかを決めて、そのために必要な操作法だけを、まずは先達から習うべきだった。


朝日新聞社説

障害者の年金―国会が救済するしかない

 心や体に重い障害を持つ人々にとって、最高で月に8万円あまりが支給される障害基礎年金は生活の支えだ。

 これを受けるには、国民年金に入っているか、あるいは20歳になる前に医師の診察を受けているかのいずれかが必要だ。審査は公正でなければならないが、救済されるべき人を排除してしまうことがあってはならない。

 悩ましいのが統合失調症の場合だ。ほかの病気やけがと異なり、発症しても患者が医師にかかるまでに長い月日がかかり、結果的に20歳を過ぎてしまうこと もある。原因がはっきりしないうえ、本人や周囲もなかなか気づかないためだ。このようなとき、「初診日」をどう考えるべきか。

 最高裁は「政府が客観的に公平に審査するためには、厳密に初めて診察を受けた日と考えるべきだ」との判断を示した。統合失調症の2人の男性が、不支給の取り消しを求めた裁判でのことだ。これで原告の敗訴が確定した。

 背景には、学生については90年度まで、20歳を過ぎても国民年金への加入が任意だった事情がある。当時のほとんどの学生と同じように、原告の2 人も未加入だった。また、2人が統合失調症と診断されたのは、21歳と20歳のときだった。2人は、統合失調症の特徴を理由に、「20歳前に発症したのは 明らかだ」と訴えた。

 一審では原告側がいずれも勝訴したが、二審では、1人は勝訴、もう1人が逆転敗訴と分かれた。

 最高裁第二小法廷の4人の裁判官の判断も3対1に分かれた。

 多数意見は法律の条文を文字通り解釈して原告の主張を退けた。2人が医学的に20歳前に発症したとみられることは最高裁も認めているのに形式的すぎる。救済されるべき障害者を切り捨てた行政をただしてほしかった。

 反対意見を付けた今井功裁判官は「障害基礎年金は社会福祉の原理に基づいて作られた制度だから、発病と近い時期に診察を受けることが期待できない 病気については、20歳前に発病していたことが医学的に確認できれば足りる」と述べた。法律を柔軟に解釈して救済を優先しようとする考え方であり、こちら の方が説得力がある。

 2人が年金の支給を申請してから10年。提訴してからも7年がたった。48歳になる原告は、生活保護と、無年金者救済のために3年前につくられた 特別障害給付金の計15万円を得て、ひとりで暮らしている。もう1人の40歳の男性の収入は特別障害給付金と福祉作業所の報酬など計5万円だけで、いまだ に両親が養っている。

 2人のような人たちを、司法によって救う道は断たれた。このうえは国会が動くしかない。すみやかに法を改正し、20歳前の発病が医学的に証明された場合にも支給の扉を開くべきだ。




「老コンサルの残日録」http://ameblo.jp/tkjsk0231hzannitiroku/より


最低レベルの選挙前哨戦


衆院解散総選挙の時期はマスマス混迷の度を高めています。雑誌に麻生さんが書いた『国会の冒頭に…』が言った言わな いでゴチャゴチャ。10月26日が11月の2日か9日になり、最近は11月の30日のようだ、とも。麻生さん、日本で自分1人にしかない専権事項を楽しん でいるのかも。


麻生内閣の支持率が各紙で軒並みダウン、第2次緊急経済対策を提出、その成立を計り支持率を上げて解散か?とも言われているようですが、内閣支持率を上げるほどの対策を打ち出せるとも思えません。そこで出てくるもの、政策論争でなくて≪相手に関するダーテイな暴露合戦≫。


民主党の幹部:藤井・石井・山岡…各氏のネットワークビジネス(マルチ商法・ねずみ講)業界との疑惑、民主党がそれ に対抗すべく火をつけたんでしょう倉田総務副大臣(の元秘書)がらみの不正ビザ発行疑惑、麻生さんの胸の内を図りながら解散総選挙の日取りを見込んで選挙 戦に入っています。イヨイヨ熱が入ってきました。ただし最低レベル。


国民の知らないところで、我々が選び国政を委託したバッジの先生がた、選良と言われる人達が、こんなトンでもない事 をしていたのか、寂しく、空しく、悲しい思いをしながらも、有権者にとっては投票行動の大いなる情報になることも事実です。政治家ってソンナモンダ、と思 わずに情報ファイルに入れときましょう。


金融危機対策・景気浮揚対策には特例国債(赤字国債)の発行も、と言う声が上り始めました。何日か前には中川財務大 臣が『そうしなくも何とかなる』と言ってたんですがどうしたんでしょうね、最近の大臣の言葉の軽いこと、日本を倒産への道に導こうというんでしょうか。一 方では麻生さん、『国民は相応の負担増はナットクしているから(増税も)…』ホントですか、麻生内閣になって政治行政のムダをどうするか、という議論は マッタク聞かれなくなりました。


麻生内閣ができ、さあ解散総選挙、という時に民主党代表・小沢さんがチラッと言ったこと『政治行政のムダを徹底的に 省く、国会議員の定員を削減する…』はその後どうなったんでしょうね、衆院選の隠し玉なのかなあ?でも、選挙は近そうです、これまで以上に目と耳を開きま しょう。


鵜飼俊男の感想

いつも、楽しく拝見しています。先生の御意見には新聞社説に無い、腹蔵の無い、歯に衣を着せない、真剣な、そして温かいものが感じられ、良いお人柄だなあと、思います。寅さん映画の「御前様」のような方でしょう。

さて、私は半田市で21年8ヶ月、レコード店を営んでまいりましたが、この7年赤字でとうとう廃業、求職活動・職安通いです。敗因は思い切った転業に踏み切る勇気が無く、10ばかり小出しに多角投資したものの「たばこ」「金券ショップ」が少し良かっただけで、宝くじ、100円菓子は大赤字。お客に話すと、売り場の半分以上をドーンと改装、「一か八かの勝負に出よ」と言われました。さて、小田原評定で、蓄えが尽きました。 では、御健筆を。

2008年10月19日日曜日

志野原生氏http://www005.upp.so-net.ne.jp/shigas/WELCOME.HTMより

天城越え


TV正月番組の天城越えを見た。田中美佐子主演2時間のドラマスペシアル、新作である。演出大岡進、あまり聞かない人であった。昔、野村芳太郎監督田中祐子主演の同名の劇映画を見た。印象に残る名作であった。だからついつい比較してしまう。
原作は松本清張の「黒い画集」に収められている同名の短編小説である。著名作家の著作だから入手容易と思ったが、案に相違して困難だっ た。図書館、書店など何軒か見て歩いたが、どこも清張作品の一部しか置いてない。彼は多作に過ぎて全部を置けないらしい。文庫本でも色んな出版社が少しづ つ出している。結局あまり売れていそうもない小さい店舗に残っていたのを見つけ買った。あそこへ行けば岩波だけは揃っているとか、清張は全部あるとか、書 店は店の哲学で特徴を出すのが誇りであったが、私の見たよく売れている店というのは、どこも似たり寄ったりの品揃えであった。本屋のスーパー化であろう。
映画にもTVドラマにもかなりの脚色がある。原作には主人公「大塚はな」の後日に一切触れてないが、映画では裁判後病死し、TVドラマで は30数年を生き抜いて能登の朝市で真犯人の元少年と会話を交わす。前者では真犯人は記録を読んで自殺を試みる。土工殺害が前者では原作通り夜であるのに 対し、後者ではまだ日が高い内に行われる。後者では登場をカットされた事件証人がいる。映画では取り調べに便所に行かせないと云う拷問を使うが、原作には ない。
大人になりかかった少年の殺意がこの小説のテーマであるが、どちらの作品でもよく表現されている。少年は、道連れのきれいで華やかな女 が、流れ者の土工と重なり合って漏らすうめき声を聞いて、母親の不倫の現場を覗いたときの憤りと困惑を思い出す。その女に寂しい道を守ってやると約束した 言葉が頭を過ぎる。女が酌婦という売春婦であることは30数年後になって初めて知る。映画では少年の目で見たはなに近く、TVではより酌婦らしく演出され ている。昨秋バス旅行で付近を通った。地形が判っているから物語の展開が感覚的に飲み込める。
この刑事事件では証拠不十分ではなは釈放される。刑事の事件記録では、少年も同じ9文半の足なのに、女の足跡と思い込んで見逃した反省を 記す。理性では理解できぬ不可思議な少年犯罪が現在多発している。人は誰でも獣性を持っているが、幼少の頃は恣意のままに行動するには力が伴わず、長じて はそれを理性が統御してくれる。そのバランスを崩した姿が少年犯罪である。大正15年という道徳心豊かであった時代を背景にした事件で今日を予言した清張はやっぱり大きな作家だった。

('98/01/17)

http://pub.ne.jp/shimura/?cat_id=84552&page=2志村建世氏のブログより

2008.10.19

減税は有難くない


公明党あたりが圧力をかけて、政府は減税を公約に取り入れ始めていますが、これで景気が回復すると思う人は少ないようで、今朝の「日曜討論」その他の番組でも、概して不評のようでした。減税は、個人にしろ企業にしろ、所得のある人が受けるのですから、所得を失っている家庭にも、赤字の企業にも、全く無縁の恩恵です。
 私は小さな会社を運営してきた長い経験の中で、黒字決算ができたのは、短い好運な時期だけでした。そして黒字が出るような好調なときに払う税金が、高い と思ったことは一度もありませんでした。実家の出版社にかかわっていた時期の記憶でも、業者仲間で「節税はしてもいいが、脱税はしない方がいい。税金を 払って倒産する会社はない」というのは常識でした。利益が上る中から払う税金は、たとえ100%であろうと、会社を倒すことはないのです。赤字が続く中で 会社を存続させることこそが、苦労の大部分でした。
 会社を作ったことのある人には常識でしょうが、中小株式会社の大半は、慢性的に赤字の決算をしているものです。そういう会社にとっては、法人税の引き下 げは全く意味がありません。各種の控除など内部留保の特典も、そもそも利益の出ていないときには使いようもないのです。それよりも、今減税をするのなら、 「消費税の一年間廃止」の方が、同じ予算額の減税でも、ずっと効果があるでしょう。これだったら、確実に消費は上向いて、恩恵はすべての企業にも、国民に も行き渡ります。何よりも気分が明るくなるでしょう。
 それと同時に、すべての価格表示を、本体価格本位に戻すべきです。いくらの値段のものに何%の税金が乗せられているのか、国民に明示するのが公正な政治 というものです。消費税を復活するときは、一律ではなく、生活必需品には低く、または無税とし、ぜいたく品や、普及が好ましくないものには高い税をかける べきだと、私は以前から思っていました。
 また、給与から税金を天引きする源泉所得税は、そろそろやめるべきです。これは戦時経済での強制的な戦費取立てが起源でした。会社は膨大な事務負担もさせられてきたのです。コンピューターの能力が高くなっている現在、政府直轄にできないわけがありません。
 小手先でごまかすような減税策よりも、公明正大な税制へと踏み出すべきです。

毎日新聞

知りたい!:女性誌サバイバル ブーム一転「超氷河期」 やっぱり王道は「読者目線」

 「論座」(朝日新聞社)が10月号で最終号を迎え、「月刊現代」(講談社)が休刊を決めるなど、雑誌がこれまでになく厳しい状況に立たされている。つい数年前にブームを迎えた女性誌も事情は同じ。あの手この手の生き残り策を探っている。【國枝すみれ】

 民間のシンクタンク、出版科学研究所によると、雑誌の推定販売部数は03年に30億7600万冊だったが、07年には26億冊強に。今年8月だけ見ると約1億8000万冊で、前年同月に比べ11・2%も減り、返本率は4割近くに達した。

 原因の一つがネットだ。一日に雑誌を読む平均時間は17・1分で、携帯電話からネットへの接続時間(17・7分)に抜かれた。広告収入も06年以降、ネットが雑誌を上回る。

 特に女性誌は落ち込みが激しい。部数で見ると、00年から07年にかけて11%も減少し、なかでもファッション誌の後退が著しいという。メジャー系では「BOAO」(マガジンハウス)、「GRACE」(世界文化社)が年内で休刊する。

   

 女性誌は数年前からスカーフなど豪華な付録を付けることがブームになったが、今年になって収束の気配だ。同研究所の久保雅暖研究員は「付録で雑誌を手にしても、継続的な読者として囲い込むきっかけにならなかった」と分析する。

 モデルの蛯原友里さん(エビちゃん)ら人気モデルを繰り返し登場させ、06年には68万部を超えた女性誌「CanCam」(小学館)。姉妹版 「AneCan」を創刊したこともあり、現在は約46万部だが、業界では女性誌の優等生と見られている。しかし、同社女性誌編集局の大西豊チーフプロ デューサーは「ライフスタイルやファッションの好みはますます細分化している。森は見てきたつもりだが、細部はカンに頼っていた。これからは木の一本一 本、植生まで知ることが求められています」と語る。

 生き残るための試みの一つがネットとの融合だ。同社は、モデルが動画で登場するCanCamTVなどを展開、作り上げたブランドをウェブ上に移植する試みを進めている。

   〓  ◆

 部数を急増させている女性誌もある。キャバクラ嬢を対象にした「小悪魔ageha」(インフォレスト)は「06年の創刊時5万部だった部数は、今 35万部」(中條寿子編集長)という。はやりの化粧法や髪形を紹介するだけではなく、100人以上の読者モデル「age嬢」が登場して「タクシーを降りて 店に入るときが憂うつ」などと本音を語る。

 中條編集長は「世の中、芦屋に生まれて母親からブランドバッグのバーキンをもらうような子ばかりじゃない。自分の力で生きようとする女の子のために作っている」と話す。編集部員には「上から目線」で取材しないことを厳しく課している。読者との距離感を作らないためだ。

 雑誌危機の時代を生き残る秘けつは、当たり前のことではあるが、「読者目線」(久保研究員)に尽きるのかもしれない。


イチロー:WBC監督問題で初言及…「現役困難」に苦言

 野球の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表監督選出問題について、マリナーズのイチローが18日、混迷する現状につい て初めて言及。「最強のチームをつくると言う一方で『現役監督から選ぶのは難しい』では、本気で最強のチームをつくろうとしているとは思えない」と指摘し た。

 日本は06年の前回大会で世界一に輝いた。「もう一度、本気で世界一を奪いにいく。WBC日本代表のユニホームを着ることが最高の栄誉であるとみんなが思える大会に自分たちで育てていく。シンプルなことなんですけどね」と話した。

 イチローは正式要請が届く前に自ら参加の是非について語らない姿勢を貫いているが、現実的には出場の可能性が高い。参加を前提としての発言のようだ。

 「大切なのは足並みをそろえること。(惨敗の)北京の流れから(WBCを)リベンジの場ととらえている空気があるとしたら、チームが足並みをそろえることなど不可能でしょう」。イチローの声は今後、いかに響いていくか。(シアトル共同)


社説:米大統領選 経済再生へ斬新な構想を競え

 9月から10月にかけての金融危機は米大統領選の様相を変えた。9月前半までは共和党のジョン・マケイン上院議員と民主党のバラク・オバマ上院議 員が世論調査の支持率でせりあっていた。危機が広がるにつれオバマ氏が優勢となる。3回のテレビ討論でも傾向は変わらず、選挙戦は最終盤に入った。

 最後の2週間、2人は激しい攻防を続けるだろうが、攻撃や中傷は控え、政策の対立軸を鮮明に打ち出してほしい。

 金融危機はいまのところ、マケイン氏に不利に働いている。オバマ氏は、ブッシュ政権の8年間の失敗でありマケイン氏はその延長だ、と「ブッシュ・ マケイン一体論」で批判し続けた。マケイン氏はテレビ討論で「私はブッシュ大統領ではない」と答えたものの、説得力のある反論や「ブッシュ離れ」の政策を 示していない。支持率の差が広がる要因でもある。

 気になるのは、大恐慌以来の深刻な危機と2人とも認識しているのに、2人の政策が不十分に見えることだ。マケイン氏は企業や富裕層の減税を重視 し、政府の介入より市場の競争にこだわる。上層が潤えば社会の隅々に利益や雇用が広がるという共和党の伝統的な保守思想を受け継いでいるようだ。

 一方、オバマ氏は政府による規制強化や中流・貧困層の減税を主張する。政府支出の拡大だけでは、リベラルの「大きい政府論」の再現にすぎないと懸念も出るだろう。

 大恐慌のあとルーズベルト大統領が登場し、政府の役割を広げるリベラルの時代が続いた。1980年代、レーガン政権が流れを変え、保守革命が始 まった。規制緩和と自由競争こそが繁栄を生むともてはやされた。市場万能主義が金もうけ優先のゆがんだ価値観につながり、今回の金融危機として暴発したの ではないか。だとすれば、30年近く続いたレーガノミクス時代の終わりであり、小手先の対処だけでなく新しい資本主義モデルを構築しなければならないだろ う。

 保守が一時的に退潮するなら、リベラルが新しいビジョンを提示する役割をになう時かもしれない。問題は、新モデルとは何かだれにも見えていない上、危機がどこまで深まり、いつまで続くか読めないことだ。

 世論調査によると、金融安定化法への支持率は3割に満たない。公的資金投入はウォール街だけの利益と批判する人は63%もいる。「国が正しい方向に向かっている」と答える人は7%にまで落ちた。自信に満ちた米国人の楽観主義はどこにいったのだろう。

 両氏は旧来の共和党や民主党の枠組みから抜け出し、米国再生の道を示し有権者の判断を求めてほしい。未曽有の危機を解決するには過去にとらわれない発想の転換が必要だ。

2008年10月18日土曜日

志野原生氏http://www005।upp.so-net.ne.jp/shigas/WELCOME.HTMより

女郎屋の論理


早稲田が系列校に小学校を開設する方針であるという。我が国の小学校は大半がまだ公立である。我が国では、多様な価値観を持つ必要性が、今日ほど強く主張された時期は過去になかった。私立の小学校はその方向に沿っているという意味で、まずは歓迎すべき方針であろう。
官立の小学校にも毛色の変わった学校がある。教育大学、学芸大学、教育学部系の付属学校である。高校より上への進学の条件は一般公立とほ ぼ同じである。付属高校を抱えているところがある。しかし付属と言ってもその大学に優先入学できるわけではない。東大の付属高校卒業生の東大入学率はそれ ほど高くないそうである。
私が私立の付属学校について常に問題に思うのは、同系列上位学校進学の際の推薦枠が付属校に対して異常に大きい点である。早稲田高等学 院、早稲田高校、早稲田実業の卒業生の早大推薦枠を他校と比較して見よ。明らかに不公平である。これは早稲田に限らないだろう。この不公平さ、見え見えの 囲い込み主義を私学が卒業しない限り、私はにわかには私学の拡勢に賛同しかねる。
日本の出身別政治地図は大きく変わった。今の国会議員の出身学校は私立が過半を占めているのではないか。オピニオンリーダー役が、幼稚園 小学校時代から不公平なシステムにうまく乗って、世渡り上手を身につけた人たちで占めるのでは、政治を預ける我々が堪らない。昔は私学出身はマイノリティ であった。その感性が世間を支配するほどではなかった。しかし今はマジョリティなのである。大袈裟に云えば、日本の品格を決めている。
話は変わるが、私は江戸東京博物館で、吉原の遊女の平均寿命を知ってから、遊郭とか遊里、色里をもっと勉強したいと思った。吉原は四方を 塀と堀割で取り囲まれ、出入り口は大門一つとした典型的な囲い場である。移転前の旧吉原は日本橋にあるが、そこにも堀割の跡が細長い緑地になって残ってい る。堀が無くても遊郭の娼婦は地回りに監視され、逃げて捕まると残忍な私刑を受ける。この制度は日本が二次大戦に敗れるまで実質上は持続された。何よりも 自民族の意志では廃絶できなかったことに悔恨を残した。
私は弱味や無知に乗じて人の将来を縛ることに嫌悪を感じる。親ですら世の中一寸先も見えぬ不透明な時代である。進学先がほぼ保証されると 云うことは、二寸三寸先を見通せると云うことで、誰しも飛びつきたい衝動に駆られるであろう。それを餌に生徒を囲い込む。進学先が囲いの外と同じ公正競争 下にあるというのなら別段問題ないが、今の私学は系列優遇により不公正に目を瞑っている。私には、嫌みな表現だが、私学の経営側に女郎屋の主人の論理と同 じ流れがあるように思う。
もう一つ。幼年、少年の青田刈りの問題も見過ごせない。結果として公立にババを預けて、つまりよいとこ取りをした後は公立でという姿勢で ある。義務教育年層の選別は「早稲田の教育理念に憧れた」生徒の公正なくじ引きでやって欲しい。早稲田だけが良ければそれでよい教育なら、弊害の多い機関 として排斥せねばならなく成るであろう。かってはそこの一父兄であったものの諫言である。

('98/01/12)

「老コンサルの残日録」http://ameblo.jp/tkjsk0231hzannitiroku/より

雑感


前にBLOGしたように、いつの間にか原油狂騰のニュースが無くなりました。バレル140ドルか?と言われたのが 100ドル切れ?と言われる昨今です。世界の金融悪魔は、原油で大儲けし、世界中に迷惑困惑を与え次の標的に向かっています。でも、世界中に≪脱アブラ意 識≫を喚起した効果もありました。                               


米リーマンの破綻が引き起こした世界金融恐慌、余りにも大きな金融パワー、かつて韓国やアルゼンチンが金融危機に 陥ったこともあります、ひとつの国を滅ぼし兼ねないほどのパワーです。ここへ来て、デンマーク・スエーデンもユーロに参加する意向を示しはじめました。金 融恐慌が実体経済・企業活動・個人生活にまで影を落としはじめています。企業の離散集合が進んでいます。個人も生活防衛に入りました。


米国が、北朝鮮の<テロ支援国家指定>を解除しました。同盟国、これまで米国の意向を場合によっては民意を無視して まで尊重してきた同盟国の日本にはもちろん事前相談もなく、米政府発表の30分前に事後報告があったとか、なんとやるせないこと、NOT同盟BUT隷属、 米国内の州にも劣る扱いじゃあありませんか。日本の親米派の人達はドウ考えてるんでしょうね。


朝日新聞:10月16日朝刊の要約≪石破農水大臣が農林水産省改革チームを新設。05年当時の中川農水大臣が広報強 化のため大手広告代理店に人材を求めた際に農水省に出向した人達が中心になり、この11月末をメドに改革案を纏める事になっている。民間企業から農水省に 出向した民間人8人が≪国民視点プロジェクト≫という勉強会を立ち上げてチームが動きつつある。


官庁は、業界ばかりを意識して消費者を向いていない、政策立案時には有識者(たぶん、役所・業界寄りの人達)から意 見を聞くだけ、このままでは官庁の体質は変わらない。そこで、昨日(15日)の早朝会議で決まったこと、≪重要な政策決定する場合、国民の為になるのかど うか、をチェックする機関を作る。政治家や業界の『圧力』で政策が歪められていないか、担当職員の怠慢は無いか、点検する≫。あたり前のことで、今更です か、です。ところで上のほうはOKするかなあ。ホントの相手は彼等ですよね。


昨日は医療保険料の年金からの天引きの日、悪官僚、我々は<国民の為にある>という使命感を忘れ、挙句の果ての猫の目行政、上記8人組ガンバレ!我々が応援しています!

2008年10月17日金曜日

http://pub।ne.jp/shimura/?cat_id=84552&page=2志村建世氏のブログより

2008.10.17

貨幣の自由と不安定


金融危機問題のテレビを見ていた妻から、先日、素朴な質問が出ました。「公的資金注入だって、世界中で何十兆円ものお金が簡単に出てくるのは、どう して? お札を印刷すればいいからなの?」 それに対する私の答えは、「いや、お札の印刷なんかしない。コンピューターのキーボードで数字を打ち込むだけ だから、経費はいらないよ」でした。
 日本でも公的資金は用意されていて、私企業の金融機関が欲しいと言えば与えられるようです。その際、タダでやるわけにも行かないので、債権を国が買い取る形にするそうです。その証券も、おそらく立派な紙に印刷ではなくて、コンピューターで入力するのでしょう。とにかくコンピューターは、収支の計算が合ってさえいればいいのです。
 今朝の朝日新聞に「資本主義は本質的に不安定」と題する岩井克人さんの論説が出ていました。私の考えていることと共通する部分が多くて、嬉しくなりまし た。経済を自由に発展させて成長を競わせれば、ついには資本自体が商品となって増殖し、実体経済と乖離します。それは庶民が苦労して稼ぐ商売の利益や、労 働で手に入れる賃金とは異質のものです。アメリカ製グローバル経済のバブル崩壊は、当然の成り行きでした。
 世界は、より健全な経済の再建へと動くでしょう。貨幣は便利なものですが、交換には信用が必要ですから、自由に動かせば動かすほど不安定さも増すので す。資本の過剰な流動に対しては、証券取引税や、為替取引に課税するトービン税の導入などが、真剣に議論されるようになるでしょう。ゲーム的な短期取引を 抑制するとともに、公的財源が確保されるという、一石二鳥の効果が期待できます。
 公的資金の注入は、母子家庭や失業家族にも行ったらどうでしょうか。「働いて稼げるようになったら返す」という証券を、国が買い取ってあげればいいので す。注入された資金は、直ちに消費に回って景気を回復させるでしょう。さらに私は思うのですが、生活に最低限必要な食料品と、住居と、教育と、医療・介護 は、貨幣経済で動かすのをやめて、全国民に現物給付するという方法もあります。それが実現していれば、弱者を犠牲にすることなく、思いきった合理的な税制 を整えることができるでしょう。
 物々交換の素朴な経済活動を始めてから五千年、生きることの権利と働くことの義務を、人類すべてが等しく分かち合える時代が、コンピューターのおかげで実現できる可能性が出てきました。世界の貧困が最終的に解消するときが、見えてきたような気がします。

朝日新聞社説

政治とカネ―企業・団体頼みいつまで

 民主党の前田雄吉衆院議員が、離党して次の衆院選に立候補しないと表明した。マルチ商法業者から多額の金銭を受け取り、業界を擁護する国会質問をしていたことで「党に影響を与えないため身を引いた」という。

 近づく総選挙で党が被るダメージを最小限に食い止めるには、早めにけじめをつける必要があると判断したに違いない。

 前田氏が代表を務める二つの政治団体は、04年から07年にかけて、業務停止命令を受けた会社を含む多数の業者らから、あわせて1千万円以上の講演料と献金を受け取っていた。

 商品の購入者が販売員にもなって購入者を増やすマルチ商法には、全国の消費生活センターに毎年2万件あまりの苦情が寄せられる。前田氏は衆院予算委員会の分科会で「キャッチセールスなどと一緒にされて(業界の)みなさんは非常に迷惑している」といった質問を繰り返していた。

 「国会質問とカネ」といえば、参院での代表質問の見返りに現金を受け取り、受託収賄で有罪が確定した村上正邦元労相のような事例があった。

 それにしても政治とカネ、とりわけ企業・団体献金をめぐる不明朗なできごとは、いつまでも後を絶たない。

 発足したばかりの麻生内閣でも、談合事件で公正取引委員会から排除勧告を受けた企業などから閣僚への献金が相次いで発覚した。河村官房長官は、自身が支部長の自民党支部が、排除勧告を受けた法人などから問題発覚後に計410万円の献金を受けていた。

 似たようなケースは、中川財務兼金融担当相や小渕少子化担当相らにもあった。麻生首相の党支部も、社長が汚職事件で今年起訴された医療機器販売会社から献金をもらっていた。

 マルチ商法がらみでは、きのうの参院予算委員会で野田消費者行政担当相が、これを新産業として認知すべきだとの質問を12年前にしていたことを明らかにし、業者からの献金があったかどうか調べて報告すると答弁した。

 河村長官らは、違法性はなくとも道義的な見地から返金する意向を示した。あわてて返さねばならないようなお金を受けること自体、企業との関係が極めて ルーズになっている証拠だ。自民党はこうした企業からの献金には党としてルールをつくるというが、法で規制するのが筋だろう。

 今年も共産党を除く各政党に総額319億円の政党交付金が渡される。この制度の導入にあたっては、当時の細川政権与党も野党だった自民党も、将来は企業・団体献金は縮小廃止する方向で議論していたはずなのに、すっかり忘れてしまったようだ。

 企業・団体頼みをいつまで続けるのか。各党がどんな態度を示すのか、総選挙でも目を凝らしたい。



橋下知事「園児の涙利用」と保育園側を批判 行政代執行


 大阪府の橋下徹知事は17日、第2京阪道路の用地買収に応じなかった門真市の北巣本保育園の畑を行政代執行で強制収用したことについて、「政治的な主張や反対の理由はあると思うが、園の所有者は園児たちの涙を利用して阻止しようとした。一番卑劣な行為だ」と批判した。

 同保育園では今月末にイモ掘りを予定しており、園児たちが育ててきたサツマイモなどが16日の行政代執行で引き抜かれた。

 橋下知事は「4月から任意交渉はしている。最大の権力行為なので慎重にやった。最後のイベントをやったら立ち退きます、という話があれば応じた」と説 明。「もしあれを認めたら、これから公の工事は家庭菜園かイベントで全部阻止になるのか。工事費や損害などを府民が持つならいいが、府民の声はそうではな いと判断した」と語った。

 一方、同保育園の松本剛一理事は「代執行の反対運動に園が園児を動員した事実は一切ないし、むしろ子どもにはショックを与えたくないので、畑がな くなると知らせることも避けてきた。子どもの涙を利用したと取られるのは心外だ」と話している。16日の行政代執行では、祖母に連れられて通園途中に畑に 立ち寄った園児が1人いたが、5分ほどいただけで祖母がすぐに保育園に送ったという。




米グーグル増収増益、ネット広告堅調 7~9月期決算

 【ニューヨーク=丸石伸一】米インターネット検索最大手グーグルが16日発表した08年7~9月期決算は、売上高が前年同期比31%増の55億4139 万ドル(約5600億円)、当期利益が同26%増の13億4616万ドル(約1400億円)となり、増収増益を確保した。

 売上高の97%を占めるネット広告収入が堅調だった。景気減速にともない、広告収入の減少が懸念されていたが、アナリストの事前予想を上回る好決算になった。

2008年10月16日木曜日

志野原生氏http://www005.upp.so-net.ne.jp/shigas/WELCOME.HTMより

駒込は寺町


駒込は寺町である。本郷通りの両脇に、白山神社の縦横にたくさんのお寺が並ぶ。営団地下鉄南北線の駒込駅から後楽園駅までジグザクに歩いてみた。
江岸寺、天然寺、円通寺、大運寺。どのお寺も墓石に埋まって窮屈そうである。門前でのぞき込むぐらいにして立ち去る。裏小径は袋小路が多い。結局表に出直した方がよい。
駒込のお富士さん、富士神社、の築山は大きかった。登山記念の石碑がいっぱいある。火消し組の記念碑が多い。纏の図柄と組の名が彫り込ん である。閉じた本殿扉に小さく賽銭入れと書いた穴があった。賽銭箱のようなものでは盗まれるのかな。粗末な社務所があったが、人は居りそうでなかった。
吉祥寺は広いお寺であった。明暦の大火すなわち振袖大火の八百屋お七で有名である。本堂、方丈とも再建のようだが、経堂は大戦を生き残っ たらしい。緑が少ないのはここも同じだが、まだ参道がゆったりとし、本堂前の広場があって静かで落ち着く。東京の寺には鐘楼がないところが多いが、ここに もなかったように思う。正面の門が両脇の土塀と共に昔を思わせる。しかし土塀は直ぐ切れて無くなる。昔の敷地を維持していないのである。駒込大学の前身は ここの学坊である。
南谷寺、徳源院、常徳寺、高林寺、養源院、蓮光寺、光源寺、清林寺、栄松院、常瑞寺、瑞泰寺、一音寺と歩いて白山上に出る。妙清寺を経て 白山神社へ。社殿裏に浅間神社を祭る富士塚がある。富士神社のよりは小さいが鳩の森八幡よりは山らしい。真横が竜雲院で本念寺、浄土寺、寂円寺、竜泉寺と 白山通りを北西に行き一行院にたどり着いた。最後の寺は古い墓石をひとまとめに積み重ね、仏閣らしく建造物門庭などを整備しようとしている風に感じた。
小石川植物園をざっと見て、喜運寺、念速寺を経、こんにゃくえんまの源覚寺に着く。こんにゃくえんまの片目は信心深い女にくれてやったために黄色く濁って見えるそうである。最後のお寺が善雄寺で、そこから南北線の後楽園駅に出た。
歩いたルートを江戸切絵図と比較する。所々寺が無くなっているが、かなりが現存する。ただ境を接して立ち並んでいたお寺が、今では町屋に 浸食されて墓地と本堂と参道を守るギリギリの敷地を残すのみとなっている。二次大戦の後あちこちでお寺の敷地の切り売りの話が続いたが、その現実は特に東 京で激しいことに気付く。原形も想像できないまでに浸食された寺もある。
参詣人には殆どお目に掛からなかった。江戸時代は次々の大火で社寺も全焼が多かったが、そのたびに寄進で復興した。大戦に敗れてからはそこまでの寄進は得られなかったのであろう。仏教は過去の財産で食いつないでいる。
それにしても東京とは何と寺の多いところか。京都育ちが驚くのだから本当に多いのである。深川江戸資料館で館員に聞いたことがある。彼は お大名が寺を運んできたと云った。仏事で明け暮れする日常生活に仏はなくてはならぬ。元からのお寺では急膨張の人口に対し数が足らぬ。勤番侍には滞在中の 寺もいる。お江戸はそれに豊かな消費都市で学識レベルも群を抜いて高い。色んな事が重なってお寺を繁盛させたのだろう。

('98/01/07)

朝日新聞社説

受信料値下げ―この機会にスリム化を

 NHKの09~11年度の経営計画が、異例ずくめの道筋で決まった。

 福地茂雄会長ら執行部の計画案は、地上デジタル放送への移行のための追加負担が必要なことが明らかになったことなどで、作成が遅れに遅れた。

 今月上旬にようやくまとまった計画案には、12年度以降に受信料を下げる方針も盛り込まれた。ところが、古森重隆経営委員長が「10%の値下げの明記」を主張して、差し戻した。

 執行部は「先が見通せない経済情勢で、4年先の約束は難しい」として、再び数字を入れない案を示した。だが、経営委員会も譲らず、「12年度から受信料収入の10%を還元する」と修正して議決した。

 受信料が下がるのも、経営委員会が経営計画に直接手を入れたのも、初めてのことだ。一律に値下げするのか、低所得の高齢者の支払いを免除するといった方策を組み合わせるのか。具体的な方法はまだ決まっていない。

 言うまでもなく、受信料の値下げで番組の質が落ちるようなことはあってはならないが、下がるのは視聴者にとって悪いことではない。執行部と経営委員会が緊張感を持って向き合うのも健全なことだ。

 だが、議論の焦点が「10%と書くか、書かないか」の攻防だけになったのはいただけない。受信料で運営するNHKはどうあるべきかという根本的な議論が抜け落ちていたからだ。

 公共放送としてこれだけは必要だという番組と、不要な番組をふるいにかける。そのうえで、組織をスリム化し、受信料を引き下げるというのが、本来のあり方だろう。

 今回議決された経営計画では、テレビとラジオの計8チャンネルのうち、衛星テレビ1波を減らすという。職員を報道・制作に手厚く配置しつつ、総数を減らすほか、いま17ある子会社を12~13にする目標も盛り込んだ。

 一方で、報道の強化、高品質な大型番組の提供、幅広い視聴者層に向けた多様で質の高い番組作り、放送局を地域を元気にする拠点に、国際放送の充実――といった目標も掲げられた。

 それぞれもっともな内容ではあるが、こうした分野をすべてNHKが手がける必要があるのか。民放との役割分担を考えた方がいい。

 そもそも、あれもこれもと手を広げて、どうやって「10%の値下げ」を実現するのか。受信料の取り立てに力を入れて総収入を増やすことだけで、値下げ分もまかなおうとするなら、筋違いだ。ここはスリム化を真剣に考えてもらいたい。

 その際、NHKには、外部の有識者や視聴者の意見、職員の声を幅広く集める組織を作ることを改めて提案したい。その場で、NHKの適正な規模と使命を問い直すべきだ。

グルジア紛争―収拾の動きを速めたい

 激しい戦闘が繰り広げられたグルジア紛争の「戦後処理」を話し合う国際会議が、スイスのジュネーブで始まった。事態収拾に向けた作業がようやく本格化してきた。

 戦火はやんだものの、紛争の発火点となった南オセチア自治州やアブハジア自治共和国の周辺にできた「緩衝地帯」にロシア軍部隊が駐留を続けていたが、それも先週には撤退を完了した。代わりに欧州連合(EU)の停戦監視団が入り、紛争が再び火を噴かないよう目を光らせる。

 ジュネーブ会議はEUや国連などが主催し、米国も加わる。だが、ロシアは独立を承認した南オセチアとアブハジアを正式参加させるよう主張し、グルジアが強く反発するなど、波乱含みの幕開けだ。

 グルジアは現在も、約5万人の避難民が家に戻れない状態にある。戦火に加え、独立派の民兵らがグルジア人の家財を略奪したり、放火したりしたことが大きい。現地の治安回復を急ぎ、きびしい冬が来る前に避難民らが帰還できるようにしたい。

 会議では、南オセチアとアブハジアの地位問題も取り上げられる見込みだ。ロシアが独立承認を撤回する可能性は小さく、逆にグルジアへの武器禁輸を主張するなど、議論は平行線をたどりそうだ。

 だが、グルジアが先に攻撃を仕掛けたとはいえ、だからいっきに独立承認だというのは飛躍がある。ロシアのパスポートを住民に出しておいて、攻撃されると「自国民保護」を理由に大部隊を送り込む。こんなロシアの手法を認めるわけにはいかない。

 同時に、旧ソ連圏で今回のような紛争が再び起きないよう、ロシアと欧米諸国がきちんと意思疎通をはかることも大事だ。旧ソ連諸国を「勢力圏」と見なすの はロシアの身勝手である。他方、大規模な侵略をたびたび受けてきた大陸国家ロシアの、伝統的な安全保障観への配慮はあっていい。

 この点で、ロシアとの対話はそっちのけで、グルジアやウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を急ごうとした米国などの勇み足は否定できな い。グルジアへの軍事支援を強め、ロシアとの緊張を高めることになったブッシュ政権の政策に、キッシンジャー氏をはじめ米国の国務長官経験者らからも批判 の声が出ている。

 ロシアのメドベージェフ大統領は、欧州諸国に新しい安全保障条約を結ぼうと主張している。具体的に何を意味するのかはっきりしないが、NATO優位が定着する中で、ロシアの発言権をもっと認めよとの狙いなのだろう。

 資源価格の高騰で力をつけたロシアの無理な注文は聞くわけにはいかないが、欧州の安定のためには対話に応じるのも手ではないか。

http://pub।ne.jp/shimura/?cat_id=84552&page=2志村建世氏のブログより

2008.10.16

70代からの情報革命(3)

 紙に手書きするものと決まっていた作文が、キーボードで打ち画面で見る作業になったのは、非常に大きな変化だったと思う。それ以前からも、私は紙に字を書くことには苦労していて、いろいろに工夫もしていた。
 まず、日本文であっても、縦書きよりは横書きの方が合理的であることは、すぐに気がついた。だいたい人間の目は横に二つついているので、上下よりも左右 の方が視線の移動速度は早い。次に私は万年筆で書くことが多かったのだが、縦書きだと改行のたびに手は書いた字の上をこすることになる。インクが生乾きだ と、にじんで汚れるのが気になって、これは毎日のように日記帳で経験していた。横書きなら、手は常に白い紙の上にあるから安心である。
 学生時代には、ノートを楽に早く書く方法はないかと考えた。とりわけ漢字の言葉には時間がかかる。何かの本で「カナ文字会」や「ローマ字会」の存在を知 り、漢字は日本語のガンだと思ったこともあった。そこで、ローマ字でノートをとることにして、一ヶ月ぐらい実行してみた。筆記 体の分かち書きにして、カキクケコは ca ci cu ce co と綴ることにした。k の筆記体は書きにくいので c で代用したのだが、このアイディアは本で読んだのだと思う。このローマ字書きは、けっこう早くて見た目もきれいだったから、充分に実用可能と思われた。と くに会話文の筆記には向いていて、速記をとるような気分だった。
 ただし、欠点は読み取りにくいことだった。やはり問題は漢字で、ローマ字から漢字を連想して意味をとるのに時間がかかるのだった。だから、よく出る単語 は一文字だけ漢字を書いて目印にしたり、いろいろやってみたのだが長続きせず、結局は漢字かな交じりに復帰せざるをえなかった。しかしこれ以後は、横書き の作文に全く抵抗を感じなくなったのは、成果だったかもしれない。
 だから、仕事で台本書きをするようになったときも、特に注文されない限りは横書きにした。横書き400字詰めの原稿用紙の左から5字のところに縦線を入 れ、その部分に画面の絵または説明を書いて、残りの300字を使ってナレーション原稿を書くと、絵コンテを兼ねた台本になる。文字数が300字というの は、標準の早さで読めば一分になるから、作品の長さも二十枚書けば二十分ものというように、すぐ見当がつくので便利だった。この様式は、スライドや映画・ ビデオの台本として、創業から十年以上にわたって私の会社の定式となった。
 しかし鉛筆で手書きした台本は、推敲や改訂を入れようとすると直すのが大変だった。消しゴムで処理できる範囲ならいいが、数行の書き加えでも、切り貼り して何枚にもわたって直さなければならなくなる。修正してもすぐにきれいに清書できる方法はないものかと、私の悩みの種だったのである。

猫嫁さんのブログより

タイトル変更

リアルネコのことが心配で、週末何しててもちっともおもしろくない猫嫁です。

だもんで、いっそのことブログに闘病日記も組み込もうかと思い、タイトル変更。少しは気が紛れるかなあgawk

最後の更新から約一か月、週一のステロイド注射じゃ効き目も薄く、あれよあれよという間に、体重が2.9kgから2.35kgにshock

病理検査したわけじゃないのでなんともいえないが、「IBDじゃないですか?毎日飲むステロイド剤ください」と今日こそ言おう!!と決意し、病院に向かう猫嫁。

猫嫁の気(鬼)迫に気づいたのか、「注射じゃ、1日しか効き目ないみたいなので、毎日飲むステロイド剤を出します」先手を打ってくる。

しかし、先に言ってくれてよかったよ。ストレス激減。

この一か月「季節もん」「年取った猫にありがち」とおしゃる院長に、「私は、IBDじゃないかと思う。症状がそっくりだし・・・」など訴えてきた が、「下痢してないから違う」と言われ、今度は、サードオピニオンかよ、今度はどこの病院にいけばいいの!と心の中で叫んでいた猫嫁。

10月4日に「IBDの可能性もある。いずれステロイドも効かなくなる時も来るでしょう」と宣言される。悲しい宣言だが、猫嫁の見解と一致。これで 遠慮なく質問もできるし前向きに治療に専念できる。担当医?はこの時から女医さんに替わり(院長には嫌われたか?)とっても話しやすくて、今は医者に対し てのストレスゼロ(神様感謝しています。)

現在は毎日のステロイド剤で食欲があるので、食事療法にと頑張っているところです。

IBD、、またはIBDらしくって通院している猫ちゃん(の飼い主さん)よかったら、情報ください。

Img_2034_2 リアルネコ「病気になる前はおばちゃんと一緒に寝ててけど、しんどい時は一人で寝たいねん!でも・・・この簡易ベッド、貧乏まるだしやんpout

猫嫁「ぜいたく品より、治療費優先!オプションにゲロッピ対策の新聞付き」













2008年10月15日水曜日

志野原生氏http://www005.upp.so-net.ne.jp/shigas/WELCOME.HTMより


お庭拝見


六義園を見る。川越藩主柳沢吉保の庭園である。明治に入って岩崎弥太郎の別邸となったが、昭和13年に東京都に寄贈されたという。清澄庭 園も岩崎家の寄贈だったように思う。三菱もなかなかやる。四国にいたとき、高専に来た国会議員が住友は文化に貢献しないとか云ったのを直接耳にしたが、調 べると住友もよくやっている。利益還元事業をリストアップすれば、新興成金とか中小財閥とかがやらない代表ではないか。
他に浜離宮、小石川後楽園、清澄庭園、旧安田庭園。私が立ち寄った東京の日本庭園である。旧安田庭園はどうだか忘れたが、それ以外は元は 江戸大名屋敷の庭園である。どれもそれぞれに素晴らしい。よくぞ今日に伝えてくれたものである。関東には寺社の庭園には良いのがない。川越の喜多院ぐらい か。
回遊式というのか、ぐるりと散歩すると30分ほど掛かる広大な庭である。自然の情景を圧縮して箱庭的に配置してある。池を中心に樹木が全域を覆っている。一部芝生地があるのは野点に使う場所か。茶室も池を囲むように点在する。
滝見の茶屋というのがある。人工の滝が流れ、水の音を楽しめるようにできている。昔はこの滝の水をどうして持ち上げていたのだろう。高台 から特別の用水路を取ったのか。日本庭園には滝や谷の工夫が見られることが多いが、平地では場所場所の造園者の技術が凝らされていたことだろう。藤代峠と いう築山がある。結構小高い。土を抑えているのは溶岩である。築山はそのほか池に浮かぶ島の中に二山ある。妹背山という。豪華である。
庭園の空の覇権はどうもカラスが握っているらしい。カアカアとやかましいのはちょっと雰囲気を壊す。NHK-TVで教わったのだが、繁殖 期には巣の近くを通ると、無帽の黒髪頭を攻撃するらしいから剣呑である。庭園を囲む赤煉瓦の塀は一度継ぎ足しているらしい。今は3mはある。油断をすれば 銘木古木が盗まれるのかな。あるいは浮浪者が巣食う可能性があるのかな。
やや時間に余裕があったので小石川植物園に回る。旧東大医学部校舎(東京医学校)の赤煉瓦の前が日本庭園になっている。紅梅が6分咲き白 梅が早いものは2分咲きぐらいであった。六義園でも白梅の1-2本がやはり2分咲きであった。うっすらと匂う。ここは六義園ほどの広さがないから仕方がな いが、造った庭という感じは否めなかった。しかしその横に植物園の台地が迫っていて借景は申し分がない。
ここの森もカラスの天下であった。カリンの実が沢山落ちていた。カラスが全部占拠している。小憎らしいので木の枝をぶっつけてやった。カ ラスも多いと何か不気味である。人間でも一人で急に出くわしたときなどは、真っ黒な人はやっぱり何か本能的に避けたい気が働く。別に人種差別でなく、心の どこかに黒を不気味に思う遺伝的要因があるのだろう。は虫類を恐れる心理を恐竜時代の遺産と言った学者が居るとか。黒に対する恐怖は闇夜を恐れる本能か。

('98/01/07)



http://pub.ne.jp/shimura/?cat_id=84552&page=2志村建世氏のブログより

2008.10.13

「好戦の共和国アメリカ」を読む(1)

「好戦の共和国アメリカ・戦争の記憶をたどる」(油井大三郎・岩波新書)を読みました。アメリカに「好戦国」のレッテルを貼ってしまうのは抵抗を感 じますが、今の世界で唯一、近代戦で国内に深刻な被害を受けたことがなく、基本的にアメリカがする戦争は「よい戦争」で必要なものだとするアメリカ人の意 識はどこから来ているのか、その底流をアメリカの歴史から読み解こうとした本です。
 アメリカの最初の戦争は、イギリスからの独立戦争でした。この戦争を勝利に導いたのは、総司令官であり、初代大統領となったワシントンでした。2度にわ たる独立戦争は、軍事的には、さまざまな幸運に助けられた「辛勝」でした。中でもイギリスと戦っていたフランスが、アメリカの独立を助ける側に回ったこと が決定的でした。
 アメリカ独立までの13州は、それぞれの地域ごとに独立した州の集まりに過ぎませんでした。連邦軍は存在せず、各州が民兵を提供して独立戦争に協力した のでした。州の独立性が強く、軍事的にも州兵の組織があり、市民の家庭や個人ごとにも武装して自衛するという気風が残っているのは、アメリカという国の成 り立ちに根ざしているのです。
 アメリカが本当の意味で統一国家になったのは、南北戦争を経験してからでした。リンカーンもまた最高指揮官として北部をまとめ、連邦からの離脱をはかっ た南部と妥協することなく、アメリカの統一を守ったのでした。奴隷制度の廃止は、ヨーロッパの同情を集め、黒人を戦力として動員する賢明な戦略でもあった のです。
 南北戦争による犠牲者の数は、独立戦争をはるかに上回り、アメリカ国内に深い分裂を残したのですが、その反省は反戦平和の思想運動を残しました。共和党の起源が北部にあり、民主党の流れが、より深く傷ついた南部から起こったというのは、私には興味ある新しい知識でした。
 その一方で、西部の先住民族に対しては容赦のない戦闘が繰り返され、和平の協定は次々に破られて、白人が西海岸までの全土を占領するまで止まることはあ りませんでした。白人同士の「内戦」は、ある程度まで限定的に戦うが、先住民など異民族に対する「外戦」は徹底的に行うという、アメリカの「戦い方の二重 基準」は、やはり歴史に根源があるようです。


「好戦の共和国アメリカ」を読む(2)

南北戦争後も大きな連邦常備軍を持たなかったアメリカでしたが、スペインと戦ってフィリピンを獲得をしてからは、有力な海軍国になりました。第一次 世界大戦では、初めて「民主主義の秩序を守る」目的で、ヨーロッパに大軍を送りました。その姿勢は第二次世界大戦に引き継がれ、ドイツと日本のファシズム を打倒する主役を務めるに至りました。その結果として手に入れたのが、世界を動かす超大国の地位だったのです。
 戦後もソ連圏との対立が続いたため、アメリカの軍事力は外交に不可欠のものとなりました。朝鮮戦争は勝利なき妥協に終り、ベトナム戦争は、アメリカにとって初めての敗戦と言われました。しかしそれも、遠征軍が撃退されただけであって、ベトナムは戦犯裁判も賠償も要求はしませんでした。そして今、かつて共産ゲリラの絶滅を目指したのと同じ熱心さで、アメリカはテロリストの絶滅を目指す遠征軍を送っているのです。
 周知のように、アメリカは自国内で負け戦の悲惨を経験したことのない唯一の大国です。戦争に対する忌避は、悲惨な外国の事例としては知っていても、国民 の間に骨肉化されてはいません。戦争は常に一定の目的をもって国民の合意のもとに戦われ、それぞれの目的を達した「よい戦争」が大部分だったのです。戦争 の惨害についての知識も、負けたら大変なことになるから、負けないような軍備が必要だという理屈に、転化されているふしもあります。
 現代の世界で、アメリカが最大の強国であることは疑いありませんが、アメリカについていさえすれば安全だというのは本当でしょうか。もちろんアメリカを 敵に回したら勝てませんが、さりとて、世界の国が全部アメリカの同盟国にならなければ世界は平和にならないのでしょうか。今のアメリカは、世界のすべてを 同盟国に組み込むことを目指しているように見えます。しかし、そんなことが可能でしょうか。
 折しもアフガニスタンでは、現地政府がタリバンとの対話を試みているというニュースがありました。軍事力が万能ではない平和がありえること、民族や宗教 の多様性を認めること、そして何よりも平等と公正が人々を平和にすることを、アメリカの国民は理解してほしいものです。アメリカとのつきあい方について、 いろいろ考えさせてくれる本でした。