2008年10月4日土曜日

志野原生氏http://www005.upp.so-net.ne.jp/shigas/WELCOME.HTMより

上総堀

久留里に行くと上総堀で掘削した井戸の水が今でも自噴していて、通り行く人々は自由に飲めるという。愛媛の西条も水の豊かな土地で、あちこちに自噴水があり人々は自由に利用できた。だが同じ自噴水でも、久留里のそれには、たいそうな技術背景がある。久留里の井戸は深いのである。

県立上総博物館には、この井戸掘り技術上総堀に実際に使用した道具や記録のビデオがある。それを見たのはもう10年昔であった。こんど袖ヶ浦博物館 で類似の展示を見た。こちらは掘削工具とそれを作る村鍛冶の現場模型、上総堀現場の縮尺模型および実際のビデオであった。そこでは井戸の深さが数百メート ルにも達すると書いてあった。

西条の地下水は加茂川の伏流水である。加茂川は高い四国山脈を町の近くまで急流で駆け下り、そこから海辺までをゆったりと流れる。だからたぶん古加 茂川の厚い砂層に部分的に西条が乗っていて、ちょっと掘れば、高いヘッド差の伏流水に突き当たるだろう。しかし、上総堀を必要とするほどの房総半島の自噴 水の水脈は、近所の川の伏流水ではなく、遙か山中から地下を浸透してくる水脈であるらしい。

この技術は外観から内容まで石油油田掘削に活用されている方法と全くよく似ている。初期の日本国内油田のいくつかは、実際、この技術で掘削されたと いう。違うのは鋼索鋼棒が割竹の繋ぎ合わせたものであることと動力が人力であることである。また鑿にドリル形式のものがないが、石油掘削でもあの時代には そんな高級技術はなかっただろう。

技術的に酷似していると思った点は泥水である。掘削土あるいは岩石破片は泥水に乗せれば沈降速度が遅れるから、深い井戸でも地上まで汲み上げること ができる。深い井戸の掘削で泥水の供給がどれほど大切であるかは、いつか中国共産党の宣伝映画で見せて貰った。大慶勝利油田は、何千メートルもの黄土層の 下を掘るから、途方もなく深いはずである。だから、かき混ぜ機が停まったら、せっかくの掘削中の井戸はたちまちパーである。英雄的工人は、そのとき泥池に 飛び込み、泥を体で攪拌して沈殿を防いだという映画であったと記憶する。

「飛び散る火花に走る湯玉」というのは小学校唱歌で習った「村の鍛冶屋」の途中の文句である。その唱歌碑は神戸の北の三木市にある。長い籠城の末、 食料が尽き、守兵の命と引き替えに切腹した別所長治の本拠三木城の小高い丘の上にある。三木は鍛冶製品の本場で、専門の展示館がある。見学に行ったのはず いぶん昔だったから今はどうか知らないが、鍛冶場の模型などは置いてなかった。映像では見ていたが、袖ヶ浦博物館で身近に眺められたのはよかった。

池を取り囲む広い敷地に博物館を始め色んな施設を点在させている。目下工事中だけれども、ゆったり時間を楽しめる雰囲気にできあがりつつある。埋め 立て地に東京電力他の優良企業が進出し、固定資産税ががっぽり入るのであろう。財政豊かな町の象徴のような袖ヶ浦公園を一度訪れるよう推奨す る。('97/12/09)

深川佐賀町

佐賀町は大川東河畔永代橋北一帯である。深川江戸資料館は佐賀町江戸末期の町並みを再現した博物館である。当時の記録が残っていたのを足掛かりとしたという。その界隈はぎっしりと町民の家が詰まった市中である。表通りに商家、堀に面して船宿、空き地に茶店。

夏の風物詩の一つは麦湯(むぎゆ)売りである。麦湯は麦茶で、似たものにあられ湯と言うのもあったようである。置いてある屋台(担ぎ荷)をちょっと 肩に掛けてみたが、結構重い。「御宿かわせみ」に娘二人が麦湯売りで登場する場面がある。薬研堀の長屋から柳橋の土手までであるから300mほどの距離で あったろうが、随分と肩に食い込んだことだろう。ついでだが、使った湯飲みを井戸まで運んで洗う場面の描写がある。結構衛生観念が発達していたんだ。

あちこちの博物館を見て歩いたが、船宿を見たのは初めてであった。捕物帖に限らず江戸時代背景の小説には欠かせない舞台の一つである。堀に船着き場 が作られていて猪牙が一艘繋がれている。船宿は数艘の猪牙、屋根舟あるいは屋台舟で経営していたと聞いた。長屋よりちょっと間口の広い程度の二階屋で二階 を待合いに使うようだ。部屋数は上下に一室づつで意外にこじんまりしていた。台所に食器類と大きめの炊事道具それから酒樽醤油樽がある。舟内での飲食用だ そうだ。

茶屋も初めてだった。全く小さな手あぶりと急須を茶碗と共に出す仕掛けらしい。手あぶりはたばこ盆を兼ねているのだろう。ドラマでは団子が添えて出 されることが多いがこの資料館にはなかった。普通は出さないものか。もっともここのはよしずばりのごく簡素な茶屋だからかもしれない。恒久的施設に昇格し たら団子があるのかもなどと考える。

資料館を出るとすぐ霊厳寺である。そこに松平定信の墓がある。墓地を取り囲む塀の内二面はどう見ても江戸時代のものである。昔の名は継承していても コンクリート造りになった社寺ばっかりで、いささかうんざりしていた私はほっとした。ずいぶん背の高い土塀である。やはり「御宿かわせみ」のどこかに、川 岸の町民が大火の折に逃げまどったあげく、大名屋敷の高い土塀に阻まれて焼け死ぬという話があったが、なるほどこの高さではとても乗り越えられぬし、乗り 越えても中の警備の侍はどうしただろうかなど勝手に空想する。ただし物語の中には、佐賀町と名指ししてはなかったと記憶する。('97/12/17)

プリウス讃歌

プリウスは今年のモーター・ショーの目玉になり、カー・オブ・ザ・イヤーに輝いた自動車である。話題を独占したのは、燃費が従来のガソリン・エンジン車に比べて半分のハイブリッド・カーであったからである。世界に冠たる工学的発明と思う。

燃費が半分だと炭酸ガスの排出量も半分である。発表後すぐに京都で世界温暖化防止会議が開かれた。グッド・タイミングであった。世界中がプリウスに乗り換えたら、すったもんだのあげく打ち出された炭酸ガス他の削減目標などたちまちに達成されそうである。

自動車の価格は同クラスの従来車に比べて5割増しだが、その何割かは燃費節約で取り返せる。こうなれば温暖化防止は環境問題への人々の参画意識次第 である。今月10日に始まったプリウスの販売はなかなか好調のようだ。月1000台の目標だったのが3日間で2000台売れたそうだ。もっともこれは非常 に意識の高い層が飛びついた結果であろうからあとどう進かは判らない。

私も意識している方である。今乗っている車が同じ1500ccクラスなので、丁度良い。メーカーのホームページを読み、カタログを入手し、一応の研究はした。実物は見ていない。払底しているのか一向に販売会社の店頭に現れない。早く見たいものである。

ハイブリッドのシステムに何も無理は感じられぬ。新技術のうち化け屋としての一抹の不安はニッケル-水素電池である。今の鉛電池と同じくらいの耐久 性があるものかどうか。私のノートパソコンはニッケル-カドミニウム電池であったが、充電可能量は使うとどんどん減っていった。充電可能量が減ったら運転 に差し障りが出るのではないか。鉛電池はその点実にタフな品物であるが、充電絶対量が少ないからエネルギー貯蔵用には使えなかった。

皇太子妃はこの車の第1号をお買い上げになるべきだと思った。温暖化防止に答える車が日本に出た。温暖化防止の世界会議が日本で開かれた。皇室の華 であらせられる妃殿下が買われた。三拍子揃えば強烈なアピールになるし、日本の実力のまたとない宣伝にもなる。皇太子妃はご結婚前にプリウスを作った会社 の同クラスの車を愛用され、ご成婚時宮城に持ち運ばれたと聞く。同じ会社の製品にお買い換えがあってもごく自然である。

皇室は善意慈愛その他諸々の高貴な精神の象徴として行動なさろうとする。被災地老人の激励、身障児施設園児との会話。いずれも立派だけれども、マンネリ化してしまって、その影響力は雑誌社が表紙写真に喜ぶ程度になっているのではないか。

私は、象徴と憲法に記載された皇室に、不安いっぱいの未来への勇気ある取り組みを見せていただきたいと思う。プリウスを買うことぐらいはその部類に 入らないと市井の人は思うかも知れないが、今の宮内庁にしたら、それすらあれこれ考える危険な対象なのではないか。ハイブリッドカーは世に受け入れられず 消滅するかもしれない。見通しの利かぬ軽薄な衝動買いとお笑いの対象になりはせぬか。実用車ではないが、いろいろ試験車が発表されていて皆日和見をしてい る。出揃ってからなら贔屓云々の言葉は出ないだろうなど。

責任階級、支配階級、上流階級。いろいろ言い方はあるが、要するにエリートの集うハイ・ソサイアティはこう取り組むべきだとの意欲あるお姿が皇室の輝かしい未来への一石になるのではないか。('97/12/17)

http://pub.ne.jp/shimura/?cat_id=84552&page=2志村建世氏のブログより

2008.5.22
国際連帯税と社会起業

いま「金融権力」という本(本山美彦・岩波新書)を読み始めているところです。アメリカのグローバリズムは、「ワシントン・コンセンサス」と呼ばれる政・ 産複合体によって方向づけられていること、その中枢にある政治と産業資本との癒着は、日本の天下りなど足元にも及ばないほど深いものであることが解き明か されていました。財界の大物が堂々と行政の幹部に就任するのですから、たしかに国政と資本の論理は一体化する道理です。目からうろこでした。
 サブプライムローン問題も、何となくわかったような解説だけを聞いてきましたが、資本の成長だけが目的化した弊害が表面化したという本質が納得できました。全体を読み終ってからまた紹介しますが、資本主義が一種の袋小路に入り込みつつあるのは事実だと思います。
 たまたま一昨日の「クローズアップ現代」だったでしょうか、テレビで「国際連帯税」という言葉を初めて聞きました。為替取引に対して0.05%の国際連 帯税を課税して、太陽光発電など温暖化防止対策の財源にするという趣旨でした。古くから提案されている「トービン税」に似ていますが、税率は5倍です。 ネットで検索すると、日本でも「国際連帯税を推進する議員連盟」が、すでに超党派で発足しているのがわかりました。フランスでは、すでに航空券への課税と いう形で部分的に実行されているそうです。
 為替取引での2000分の1の税率は、通常の貿易にとっては大きな障害にならないでしょうが、投機目的で短期に繰り返される取引に対しては、抑制の効果 を発揮するでしょう。一石二鳥の妙案と言えます。今年のサミットで、ぜひ日本が主導して世界に提案し、実現してほしいものです。
 それと、今朝の朝日新聞では、アフリカにおける「社会起業」の成功事例が紹介されていました。先日紹介した「グラミンフォンという奇跡」もそうですが、 ただ与えるだけでない、貧困からの脱出を助ける起業活動が盛んになれば、資本主義は、かなりの罪滅ぼしができる筈です。産業活動が円滑に進むのを助けるの が「金融」の本来の役割であったという、原点に返っての反省が出始めているように見えます。うまく行くと、私たちは、資本主義の好ましい変身を見られるの かもしれません。

2008.5.12
妻の入院と手術
[ 医療・健康 ]

連休明けの7日夜から、妻の腹具合が悪くなりました。昼食の揚げ物の後で、孫につき合ってアイスを食べたのが悪かったのだろうなどと言っている間に、嘔吐 が始まりました。翌日になっても収まる様子がないので、かかつりけの外科・胃腸科病院を受診したところ、腸が膨張していることがわかり、腸閉塞の疑いでそ のまま入院となりました。飲食禁止で点滴の生活となり、鼻から胃にパイプを入れて内容物を吸引しましたが、あまり効果がありません。2日目から腸まで管を 入れて、吸引しながら様子を見ることになりました。
 疑われたのは、50年も前の新婚時代に受けた盲腸の手術跡の癒着でした。しかしCTでも部位が特定できないとのことで、週末を過ごして今朝となりまし た。そこで盲腸下の癒着の疑いが濃厚となり、院長の判断で東京警察病院へ転院して緊急手術を受けることとなりました。東京警察病院は、私の家から歩いて5 分もかからない至近距離にあり、飯田橋から移転して、この4月1日から開業したばかりです。早くも地域の拠点病院としての役割を果たしてくれました。
 救急車で搬送していただき、主治医から所見と手術の方針について、次いで麻酔科医から麻酔の方法と危険性についての詳細な説明がありました。手術には承 諾書が必要なことは以前から知っていましたが、緊急手術でも詳細な事前説明を省略できないのは、時代の傾向なのでしょう。患者の家族も、説明をよく聞いて 危険性を知っておくことは、責任を分担することなのだと思いました。
 2時間半ほどかかった手術の結果は、成功でした。切除された腸管は30センチほどで、思ったより太く、どす黒く変色していました。癒着の穴に入り込ん だ、絞扼性のイレウス(腸閉塞)だったということです。腫瘍性ではなかったと聞いて安心しました。それからまた小1時間ほど過ぎて、麻酔からさめた妻と再 会するとき、横のスタッフスペースにいた手術チームが、一仕事済ませた明るい表情でいたのを見て、妻の生還を確信することができました。
 家族待合室で、私は今日の半日、ひたすら本を読んで過ごしました。手術室に入る妻を見送ったとき、傍らの主治医が、私に向けて一礼して下さったのが心に残っていました。それは「お引き受けしました」の決意表明のように見えました。
 私の盲腸炎のときと同様に、今回の妻の入院も、よい思い出だけが残るものになりそうだと予感しています。ただし、当初の入院も、今日の転 院も、基準ベッドが満床ということで、いずれも差額つきの部屋になりました。医療費の公的負担削減政策の、一つの反作用のような気がします。

鵜飼俊男の感想

「手術室に入る妻を見送ったとき、傍らの主治医が、私に向けて一礼して下さったのが心に残っていました。それは「お引き受けしました」の決意表明のように見えました。」を読んでジーンと涙が出ました。

2008.5.21
晴れて退院

カラリと晴れた気持のいい日でした。退院の予定とは聞いていても、具体的なスケジュールなどは知らずにいました。10時前に本人から電話があり、朝のうち に抜糸が済んで、なるべく早く、11時までには部屋を明けて退院しなければならないとのことで、ややあわてました。娘たちは2人とも外出中で、とりあえず 概算の現金を持って行ってみました。昨日の締め切り間際に、自分で思いついて入退院デスクに立ち寄り、概算を聞いておいたのは正解でした。
 部屋へ行ってみると、妻は衣類を手提げ袋に詰め込むなど、かなり支度を進めていました。「大丈夫か、痛くないのか」と聞くと、「痛いけど、しょうがない わよ」と、がまんの表情です。なんと次に入室する人が待っているという話でした。10日も在室したので、荷物は意外に増えています。両手でも持ち切れない ので、1階のデスクに頼んで、先に一往復しました。妻が書いたお礼のメモ1枚を残して、あわただしく病室とお別れです。寝間着とスリッパで、すり足の妻を 連れて歩き出しました。
 ロビーの椅子に妻を座らせておいて会計を済ませ、そのまま家に帰って車を出し、乗せて帰ってきました。診察券の受け渡し、腕に巻いた認識票の取り外しなど、担当者が多すぎて、全体の進行を見てくれる人が決まらない印象は、最後まで少しありました。
 家に帰りついて、娘や孫たちが次々に現れたときの第一声は、「あっ、もう帰ったの」「うん、追い出されちゃった」でした。夕方になってから見せてもらっ た手術跡は、10針の堂々たるものでした。当分痛みは続くでしょうが、病院からの注意事項らしいものは何もなく、「傷跡は心配ありません、6月3日に外来 で来てください」だけだったということです。
 思いっきりよく晴れた日の、なんとなく豪快な退院になったのは、警察病院だからでしょうか。

朝日新聞

社説  防衛秘密―侵食される「知る権利」

 秘密の情報を新聞記者に提供したとして、防衛省はおととい、航空自衛隊の幹部を懲戒免職にした。この幹部は自衛隊法違反容疑で書類送検されていたが、検察庁が起訴するかどうかまだ判断していない段階での処分は極めて異例である。

 問題となったのは、3年前に中国海軍の潜水艦が南シナ海で事故のために航行不能になっていることを報じた読売新聞の記事だ。

 防衛省によると、防衛省情報本部の課長だった1等空佐が読売新聞の記者に秘密情報を伝えた。それが、自衛隊員が漏らした場合に厳罰が適用される「防衛秘密」にあたるというわけだ。

 1等空佐は自衛隊の警察組織に事情聴取を受け、自宅も捜索された。だが、昨年、事件が明るみに出た後も、記者の側は取り調べを受けていない。当時の久間防衛相は、自衛隊法について「漏らした方を罰する仕組みで、通常の取材を罰する法律ではないから」と説明した。

 しかし、政府の職員が報道機関に情報を漏らしただけで罰せられるならば、取材を受ける方もする方も萎縮(いしゅく)しかねない。つまりは、報道の自由、国民の知る権利を妨げることになる。

 さらに疑問なのは、何が「防衛秘密」なのか、その基準があいまいなことだ。このまま厳罰化が進めば、政府は都合の悪いことは何でも隠せることになってしまう恐れがある。

 今回の拙速な処分は、こうした国民の知る権利をめぐる懸念に対して、あまりに配慮が足りない。

 そもそも、中国の潜水艦が事故を起こしたことは、周辺海域の航行の安全を考えれば、むしろ国民に明らかにしてもいい情報ではないか。

 ところが、日米間では軍事情報の共有化が急速に進み、米側は機密保全を強く求めている。防衛省は米軍の意に添うことを重視するあまり、日本側にとっての公共の利益を軽んじた面はなかったろうか。

 国防の根本は、自由で開かれた日本の民主主義体制を守ることだ。そのための自衛隊がむやみに「防衛秘密」を肥大化させ、結果的に民主主義の基本である国民の知る権利を制約するようでは、本末転倒である。

 米国でも、軍事に関する情報の漏洩(ろうえい)をめぐって、政府の利益か、国民の知る権利かで激しい論争が繰り広げられてきた。

 たとえ政府が隠そうとしても、国民が知るべき情報を探りだし、明らかにするのは報道機関の責務である。今回の事件を通じて、その責任の重さを改めて痛感する。

 読売新聞が結果として情報源を守れなかったのは極めて残念だ。報道には、それにふさわしい自覚と厳しい自己点検が伴わなければならない。

鵜飼俊男の感想

読売新聞は右翼傾向だそうだ。すると政府と仲良し。政府は読売新聞に憎まれたくなかったのかも。これが他の新聞だったらこうなったとは限らないと思う。

米金融救済法、成立へ 下院で修正案可決
 米議会下院は3日、不良資産買い取り制度などを柱にした「緊急経済安定化法案」(金融救済法案)を賛成263―反対171で可決した。すでに上院は可決しており、ブッシュ大統領の署名を経て成立する見通しだ。

 法案は世界的な金融危機を和らげる緊急の対策として打ち出されたが、先月29日の下院で国民負担増を懸念する強い反対にあい、23票差で否決。上院で銀 行預金の保証上限を引き上げる修正などを経たうえ、再度下院に回り、政権と議会指導部は経済界も動員し、懸命な議会対策を続けていた。

 ブッシュ大統領は、「緊急事態に直面している経済情勢を早急に改善しなければならない。貸し渋りなどが深刻化すれば一般家庭や中小企業にも打撃が波及し、雇用もさらに危うくなる」と表明していたが、こうした説得や大型減税を含めた修正で、ようやく可決に持ち込んだ。

 法案は、最大7千億ドル(約75兆円)の公的資金を投じ、金融機関から住宅ローンや関連の金融商品などを政府が買い取る計画。金融機関の経営不安の原因になっている不良資産を政府が肩代わりし、身軽にして業績の回復と市場の安定化をめざす。

 安易な救済との印象を薄め、国民負担を軽減する対策として(1)救済企業の株式を政府が将来取得する権利を得て、株価が上昇した時に売った利益を国庫に 納める(2)救済企業の経営陣の報酬を抑制する(3)住宅ローンの焦げ付きを防ぐため、政府保証の低金利ローンへの借り換えを加速させる、なども実施す る。

 さらに法案は反対議員を切り崩すため、バラマキに近い総額1100億ドル(約12兆円)の減税も追加。住宅課税の軽減や児童控除の拡充による補助増額のほか、これまで実施が見送られていたさまざまな企業向け優遇税制を盛り込んだ。

鵜飼俊男の感想

アメリカの斜陽。ドタバタが続く。日本も同じ。

0 件のコメント: