2008年10月10日金曜日

「老コンサルの残日録」http://ameblo.jp/tkjsk0231hzannitiroku/より


公務員改革は何処へ?


≪脱藩官僚の会≫(霞ヶ関・本省のエリート官僚を辞めて政治・教育…で活躍中の人達が先ごろ立ち上げた政策集団)の代表:江田さん(衆院・無所属)がTVで言ってました。


官僚が喜ぶ総理大臣、大万歳は麻生さん、中万歳は与謝野さん、(町村さんは自民党総裁選に出なかったのでコメントなし=評価を聞きたかった)、だそうです。


そう言えば麻生さんの言葉に≪公務員改革≫という言葉はマッタク出てきませんね。予算委員会で、天下り問題の質問があっても、私が指名した担当大臣が言ってることですから…で終わりです。


公務員による悪政・悪行政がこれだけ問題になり(社会保障制度の政治と行政が典型的な例です)、曲がりなりにも≪公務員改革法≫が成立したのに政治の空白をイイ事に悪官僚たちは法案の骨抜きに全力投球しています。


政府系金融機関が、1つの政府系、2つの民営系に集約されました。これまで、各省庁ごとに天下り先の金融機関を持っ ていたんですがここへ来て集約されました。それぞれトップ(お飾り)は民間人(第1線からカナリ前に引退した人達)ですが、実務を担当する人達はすべて天 下り役人です。看板の架け替え、官僚の常套手段です。


政府系だと報酬は法律で縛られますが、民間企業になるとそのタガが外されます、民間企業だから自由です。民営化され た外郭団体がカナリありますが、代表権のある社長は民間人(お飾り・外部向け)、代表権のある副社長や専務は天下り役人、報酬が増えてよかった、民営化は 大賛成、なんですよね。


形だけ民営化されても中身は官営、それも必要なものかどうか怪しいものばかり、そこへ莫大なお金が流れ込みます、税 金や国民から納付された保険料など。麻生さん、予算の裏づけはどうする、と野党から質問されると、常にハグラカシ、公務員改革意識はゼロ、これではマスマ ス官僚がのさばるようになりますね。


衆院の解散総選挙は少し先になるかも、自民党は公明党をどう説得するんでしょう。我々も心の準備を怠らないようにしましょう。

=430=国会のネジレ現象


解散・総選挙というのは、与党の案が、衆参両院あるいはどちらか1院で与党の議席が過半数に満たないので通らない、それじゃあ国民に判断してもらおう、というのが本来的な形だと思います。よく≪国民の信を問う≫という言葉が使われます。             


ここへ来て、野党は及ばず与党からも見直しが必要と言われるようになった<郵政民営化>、小泉さんの解散・総選挙 は、その是非を問うものでした。結果は、小泉催眠術で与党の圧勝、つまり<国民は郵政民営化を支持したんだ>、与党は衆院の3分の2以上の議席を獲得、法 案を通しました。


ネジレ現象、衆院と参院で、それぞれ過半数を占めるのが与党と野党、という意味に使われますが、いま開催中の秋の臨 時国会ではマサにネジレ現象が起きています。補正予算案に民主党がシャンシャンと賛成するのもオカシいですが、インド洋給油法案(テロ特措法案)の延長問 題、与党は野党に対して議論を仕掛け、野党は議論なしで与党案を通そうとする、立場が完全に入れ替わっています。


与党は、この法案を通さなければ日本は国際的な孤児になる、国民の皆さんはどう思われますか、と争点を作り出そうと する。前回、同法案に断固反対して給油活動を一時的に中止させた野党は、立場上ヘンな議論はしないほうがいい、与党案にOKを出して早く解散・総選挙に持 ち込んだ方がいい、という考えのようです。この考え方ってヘンじゃあないですか。どうも理解出来ません。


前回は、与党案を参院で否決し、国会を空転させ、忌まわしい3分の2条項を適用させるに至った野党、今回は何も議論 なしのOK、国民にドウ説明するんでしょうね。民主党に不利だと思われる争点を作り、議論を仕掛け、民主党の人気を殺ぎ、国民の信を問おうとする自民党、 これはマトモ、憲政の王道を踏み外して議論で国民の信を問おうとせず、風頼り・今なら勝てそうだとばかり政権奪取に前のめりの民主党。


ネジレ現象ソノママ、与党は政権維持・野党は政権奪取に血まなこ、国民不在の政治が続きます。それに<話し合い解散>って何ですか?戦争は仕掛けるもの、先制攻撃(奇襲が有効)ですよね。可笑しいなあ。日本の政治家の信頼度≪世界ランクで45位≫(世界経済フォーラム)。

=429=国の責任と自己責任


小泉さん・竹中さんがタッグを組んで≪貯蓄から投資へ≫をPRしました。バブル崩壊時にとられた銀行救済のための超 々低金利政策がそのまま継続されているため。また、国・自治体は、永年に亘る自民党独裁政権による政権維持・利権・官僚保護…のために行われた税金・官営 保険・官営預金・社会保険料・足らないブンは借金で…の無駄遣い・バラ撒き・政策ミス…のすえ1,000兆円に及ぶ借金があり金利を上げられないため。国 内銀行に貯金しておいても受取利息はホトンドつかないから投資に向けましょう、という事でした。


この15年間で、正常な利率なら銀行から預金者が受取ったであろう逸失受取利息は300兆円、この間の銀行の受取利 息はナント従来どおり、でした。銀行は立ち直り、従来の銀行悪がハバを利かせていますが、預金者の懐に入る筈だったのに入らなかった300兆円が個人消費 を冷え込ませ景気低迷につながりました。完璧に自民党の我欲と政治ミスの結果です。


併せて金融自由化政策の末、銀行・証券・保険の業際が取り払われました。狙われたのは個人預金1,500兆円。国 債・外債・外貨・国内株・外国株・ファンド・商品…日本の金融機関は、これまでは単なる金融仲介業でしかないので本物の投資ソフトはありません、金融商品 の販売手数料稼ぎに血道をあげ、集まった膨大な資金の多くは米国へ流れました。秘密情報ですが、郵政民営化とこれらを併せて、小泉さん・竹中さんは米国か ら想像を絶するようなご褒美をもらったと、言われてます。


今回の米国発の金融恐慌、銀行・証券・保険・業者…の美味しそうな言葉につられて、販売した金融会社を信用して、≪ 貯蓄から投資へ≫を実行した多くの投資家(ほとんどズブの素人でしょう)が悲鳴を上げています。老後の資金が無くなった、退職金がパーになった、借金だけ 残った…、販売した銀行などは、当然<当行は販売しただけで責任はありません>とすまし顔です。


今日の衆院本会議で補正予算案が通ります、そのベースになっている緊急経済対策は何の役にも立ちません。政府はこれ から予想される緊急事態にどう対応するんでしょうね、対応力は有るんでしょうか。≪国家は収奪する≫と言う言葉があります、≪政治家個人も収奪する≫んで すね。税金はもとより社会保険庁が永年やってきたこと、≪収奪≫以外の何物でもありません。海外留学斡旋大手で破綻したゲートウエイ21の社長ではありま せんが、≪収奪≫されないような人を選びませんと、これも自己責任の内、でしょう。

〇〇馬鹿と呼ばれたいけれど


俳優の緒形拳さんが亡くなりました。非常に存在感のある俳優でした。新国劇に入団してからちょうど50年、最後まで 現役でした。才能ある監督との出会い、たくさんの名画に出演しました。誰に対しても言葉遣いがとても丁寧な人で人柄を感じさせました。彼のルポ番組≪イン ド漂流≫を2回みて、人生観が変わりました。合掌。


王貞治監督、、昨日の対楽天戦がプロ野球の監督として指揮を執る最後の試合でした。延長のうえのサヨナラ負け、ホー ムの福岡での最終戦も敗戦でした。でも、そんなことはドウでもいい事です。世界で最多の本塁打記録を持ちながら、野球に対する真摯な姿勢や人柄が、プロ野 球ファン以外の人にも多くの共感を呼びました。早稲田実業高校から巨人軍に入って以来50年です。


とびっきり明るいニュースが飛び込んできました。初めは<マサカ?ノミネートされたんじゃあないの?>感覚でした が、やがて南部さん・小林さん・益川さん、3人の物理学者がノーベル賞に、の速報<うわー凄い>。素粒子の研究、私にはサッパリ分かりませんが、61年 (47年前)南部さんに閃いたことを小林さん・益川さんが検証したんでしょうか。コンピュータ万能時代ですが、≪紙と鉛筆≫が見直されるかも。


いずれも半世紀に亘って<止めない・積み重ねる・ひたむきにやる>、いわば<〇〇馬鹿>と言われるような生き方をさ れた人達かもしれません。それを通して素晴らしい人格が形成されるのかも。役者バカ、野球バカ、素粒子バカ…。こういう生き方って羨ましいですよね。羨ま しがらずにお前もやってみたら?、私もソウですが、最近は世の中の変化に振り回されて、いわば自分を見失い、名利に迷い、ウロウロする、ばかりです。そん な中高年の人達が多いかも。                                         


むしろ≪ゆとり教育世代≫の人達の方が、イロイロと社会人として問題がありながらも、自分の価値観を見出して〇〇馬 鹿的な生き方をしようとする人が多いとか、聞いています。が、『自分探し』、早く探し当てて〇〇馬鹿になればいいんですが、ソウでないといろんな問題が出 てきます、≪ゆとり教育世代≫の芳しくない面が。その代表的なのが最近の犯罪傾向かも知れません。自己責任は放棄して、自分だけ良ければいい、他人への 罪・迷惑は気に掛けない…こういう〇〇馬鹿は困るんですよね。


志野原生氏http://www005।upp.so-net.ne.jp/shigas/WELCOME.HTMより


韓国大統領選挙


今未曾有の経済危機に直面しているからかも知れないが、大統領選挙予想に関連して、韓国の民情が、候補達の対立論点と共に、集中的に報道 された。直接選挙でそこの国民が元首に誰を選ぶかは、国民は云うに及ばず、その国の実力次第だが、隣国が、世界が注目する。内外への国全体のPR事業とし てこれほどの効果的なイベントは他にない。
鈴木善幸氏が'80年に首相になったとき、世界のマスコミは「ゼンコーとは誰」とたいそう混乱したという。間接選挙では、与党の内部だけ の利害得失の駆け引きと情実のようなもので殆どが決まるだろうから、関与できる一握りを除けば全く窺い知れぬ世界である。マスコミは、この一握り様から漏 れ承った断片を繋ぎ合わせて憶測記事で風評を流す。またそれを特権とでも思っているのか、密室通が得々と予想の信憑性を語る。ただし通用するのは国内だけ だ。
ゼンコー氏が首相になったとき既に我が国は経済大国だった。今は不況とはいえ国連経費の20%以上を負担する超大国である。国民一人あた りで云ったらアメリカよりずっと多い。事経済に関してはあらゆるところから頼られ「甘えられ」ている。しかしこの世界最大援助国の国民の間では、援助はや ればやるほど野放図に要求を拡大されるとの印象が最近は強くなっている。援助を生み出す原動力、つまり日本国民に対する評価がせめてもの見返りだと思うの だが、いつまで経っても異常に低いのが援助疲れの一つの理由である。
知らない相手を高くは評価しないだろう。評価の基礎材料を発信し続けなければ、評価は無条件に低くなる。その基礎材料に光り輝く内容が多 ければ多いほど高い評価を得ることができる。だが、政治の発信力に関しては、我が国ではまずシステムを改造しなければ、永久にそれは不可能なのではない か。2ヶ月かけた首相直接選挙を4年に一度実施すべきである。候補者は裸になって、理念闘争は勿論のこと、時には相手を中傷誹謗するぐらいのテレビ公開討 論を経て、情報を発信せよ。
最近では名護市の米軍基地問題だったけれども、どの直接投票でもたとえ法的根拠がない場合でも投票率は非常に高い。身近に感じる問題には 特に、国民は直接発言したいのである。生活直結の国政問題や、外圧の受け身一方と批判の多い外交などに関しては、直接投票をと思っている人も多いだろう。 だからせめて首相は直接選挙制に改めたい。
国会議員は、我が国では、利権代表的性格がますます強くなり出している。行政改革の行方のように、どの内閣が旗を振っても最後は尻切れに なるように、彼らから選ばれた内閣では所詮はじめから結果が分かっている。その結果ますます議員選挙の投票率は落ちてゆく。悪循環である。国会制度に注意 信号がともっている。議員の不人気を解消するためにも、内閣つまり行政府を立法府からなるだけ分離し、利権に関与できる機会を抑えるべきである。首相は国 会議員とは別の直接選挙で選ぶべきである。

('97/12/29)






























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